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神戸市は須磨海浜水族園をサンケイビルを代表とする「神戸須磨Parks+Resorts共同事業体」に計画から管理運営までを任せる事にしました。(12月24日付 神戸新聞)
イルカライブも継続する中、世界中での飼育が60頭ほどという希少さや雄大な姿で観客を魅了するシャチのショーも計画しています。
一方「狭い水槽に閉じ込められ、野生で生きるよりも早く死ぬ」など動物福祉の観点から、飼育する事自体が批判されています。
入場料は現行大人1800円→3100円 小学生500円→1800円 幼児無料→1800円になり、子供2人連れの家族で行くと4100円だったのが9800円になります。
シャチのショーで有名な米国の海洋テーマパーク「シーワールド」では、動物愛護団体などの批判をうけ、顧客離れが進んでシャチのショーの禁止を決定。現在のシャチを最後に飼育を取りやめます。
今回の再整備事業者代表のグループ会社が運営する鴨川シーワールドは「シャチは身近で観察することが難しい。生物多様性を紹介することに意義がある」と訴えています。
私も動物園や水族館でしか生物の多様性を目にすることが出来ないので、それは大切な事だと思います。
しかし、シャチやイルカの生物を目にするのならショーよりも、水槽の中での自然な状態を見る方が、実態を知る事が出来るのではないでしょうか。
旭山動物園が人気なのは、其々の動物を研究し、その特性がどのようにしたらお客様に楽しく見て貰えるかを考えて工夫しているからです。よって動物も自然な姿を見せてくれるのです。
旭山動物園のテーゼ(命題)は「伝えるのは命の輝き」。
①観察や調査など科学的思考力を育んでほしい。
②さまざまな生命の在り方を再発見して欲しい。
③多様性や生態などの動物学の魅力を感じて欲しい。
加えて、これらの教育コンセプトが「旭山動物園の魅力ある動物舎と行動展示を触媒として、地球環境保全、野生動物共生などといった気持ちに発展して貰えばと考えています。
須磨水族園再整備についてある大学準教授(環境法)は、
シャチの役割が「客集め」と思われる事は仕方がない部分がある。施設が運営を成り立たせる為には「目玉」が必要で、料金を支払う観客が、施設に教育面よりもサーカス的要素を求めている点に問題があるのではないか。
この問題には人間社会と動物の係わり方が投影されていると思う。
と言われています。
テレビ離れはなぜ起こったか? それはテレビ番組が面白く無いからです。
私は、視聴者をバカにして、お笑いや軽いトークショーをやれば視聴率が取れると思ったテレビ局側が招いたことだと思います。
「面白い」の中には、滑稽だけではなく「興味深い」や「心をひかれる」という意味もあります。
そこを勘違いしての低視聴率です。
以前のように感動する番組内容は無くなり、通り一遍の笑って過ごせるだけのものになったのが、テレビ離れにつながったのではないかと思います。
先の大学準教授にお聞きしたいです。
観客がサーカス的要素を求めているのは、水族園に行きたい人の何パーセントぐらいだとお考えですか?
人間社会と動物の係わり方は、調教されたショーでしか係われませんか?
集客のターゲットはインバウンドの欧米豪のお客様だとか。
そうだとしたら逆に動物愛護的に反感を持つ方もおられると思います。
集客はショー的な感動では無く、動物を見て「生きる力を与えてくれる感動」だと思います。
集客出来なかった時に神戸市の税金を投入するのだけは、絶対に止めて頂きたいものです。
じゃ、また!