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SNSの時代になってからは、「やり方」はそこら中に溢れ返っています。いわゆるノウハウものです。
「○○日で〇kg痩せれます」「腰のくびれを作るには」「顎のたるみをなくす方法」最近は「60代・70代でchatGPTがすぐ使えます」「顧客を勝ち取るセールスの仕方」など、ありとあらゆる方面の「こうすれば出来る!」という情報が流れます。

しかし、痩せたい人の何パーセントが本当に痩せたのでしょうか?「○○日でお金を稼げる」を見た人は、どれくらいの人が金持ちになったのでしょうか?それが本当に叶うなら、見ている人全員がプロポーションが良くなり、若返り、お金持ちになっていると思います。

もう、ノウハウものは時代遅れだということに気が付いて欲しいです。
なぜなら、いくら「やり方」を学んでも、実際に行動に移さなければ何もならないからです。
やり方をいくら学んでも、結果は伴いません。結果が出るのは「やり方」を学ぶと同時に、「あり方」という実践をしないと、やり方が活かされないのです。

いくら料理のビデオを見ても、実際に作らないと料理はできません。料理を上手く作れるようになりたいと思えば、何回も何回も工夫しながら作るしかないのです。

「在り方」の中には失敗や工夫が含まれています。その失敗や工夫が成功に繋がっていくのです。
そういった失敗や工夫はマニュアルには書けません。一番上達するのは、その失敗や工夫なのです。
今、創作料理とかも増えていますが、本来の料理の作り方から、失敗をしたり、それを立て直すときにやったこととか、その失敗を活かして、あらたな発見があったり。
それらが全て「在り方」になってくるのです。

よく聞くのが日本料理など、10年くらい鍋洗いや下働きをして、実際に包丁を持たせてもらうまでにはかなりの年月が必要だとか。料理に限らず師弟関係では「教わるものではなく盗むもの」と、言われます。そうなってくると「感」の世界にもつながります。

ウチの近所にあった「たい焼き屋」さん。そこのお爺ちゃんのたい焼きは非常に人気で、遠くから自動車で買いに来るほどでした。とっても丁寧に焼いていました。その丁寧さは、その日のお天気や温度・湿度によって小麦粉と水の量を微妙に変えていました。焼き上がったたい焼きの淵にできた硬い部分をハサミできれいに切り落としていました。人が買いに来そうな時間帯を測って、その何分か前に粉を溶き始めます。人が途切れて焼き上がった残りのたい焼きは、時間が経っているからと、売ってくれませんでした。
私がたった2つだから、鉄板の上にあったのでまだ温いしそれでよいと言っても、売ってくれませんでした。
当時、たった80円のたい焼きへのこだわりです。

お爺ちゃんが引退し、息子さんが引き継いだのですが、息子さんは「小麦粉〇g+水〇cc」の焼き方で、お天気も温度も関係なく焼いていました。お客さんは一度食べたらお爺ちゃんとの差が歴然なので、売れ残るようになりました。今度は売れ残って冷めるので、保温器に入れました。冷めてはいないけれど、淵を切っていないので、固くなって唇を切る時もありました。そして間もなく閉店。

息子さんは「やり方」は覚えたけれど、「在り方」は覚えようとはしませんでした。
お爺ちゃんは「売れる・売れない」の結果をコントロールするのではなく、毎日毎日、たい焼きと向き合っていたのです。その姿勢が売れるたい焼きとして結果に繋がっていたのです。

「在り方」は現場でしか身に付きません。毎日の向き合い方が温度や湿度、お天気を克服する技になって行ったのだと思います。

教育現場でも仕事の現場でも、毎日の「在り方」の姿勢が、結果として出てくるのだと思います。

じゃ、また明日!

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jibunoikiru@gmail.com

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