今日も普段は見ていなかったNHKの「にんげんドキュメント」をたまたま観ました。
桜守をされている「佐野藤右衛門」さんでした。普段は造園業の「植藤」の16代目で働いていますが、社長は息子さんに譲っておられるようです。
桜が好きで、桜と付き合っているだけというだけあって「自然が相手の仕事にマニュアルは無い」という考え方で、1本1本の性格の違う桜に向き合っています。地味(土地の質)が変われば、植生も変わり、そこにいる鳥や虫もみな違ってくる。同じ環境はひとつもないし、同じ木もひとつもない。みな違う。だから自分達の仕事はすべて手探りで、毎日が応用問題だとか。「それぞれ違うから面白い」とか
これって「育む」ことではないかと思います。
「育む」とは、親鳥がひなを羽で包み守るように、大切な人、心、愛情、能力などを愛情深く、手間をかけて大切に養い、成長させることを意味するように、木も動物も人間も同じではないかと思います。
佐野さんは、桜は1本1本違うし、わからないことが多い。そこに面白みがあって、わかってしまえば面白くない。それを人間が思うようにしようとしても出来ない。と言われます。
今の学校教育を見ていると、1人1人違うのに、同じにしようとしています。1人1人を観みなければならないのに、1つの塊としてみようとしています。それぞれの違いを伸ばして育むはずなのに、自分の思うようにしようとします。1人1人の人間を「育む」のが仕事のはずなのに、いじめ問題などを見ていると教師や学校が1人1人の人間を「損なう」方向にもっていっているように思います。
当然、子どもたちを育んでいる先生方もおられます。しかし、そういう先生はどんどん神経を病んで入院するか退職に追い込まれています。全く逆の方向です。よって、校長や教育委員会の言いなりになっている先生は「育む」面白さをわからないまま、教育者という肩書を終えていきます。
インタビューの中で「今年の桜は早いと言われていますね」と聞くと、佐野さんは「桜が早いというが、鳥でも何でも、宇宙全体が早くなっている。桜だけが早いのではなく、全体が一緒に動いている。
人間が自然に合っていないだけ。人間が遅れているだけ」と言われます。
世の中には人間や自分が一番偉いと、勘違いしている人もいます。私は人間が偉いとは思いません。本当に偉いのであれば、地球煮沸化はどうして防げないのか。近年の全世界的に起こる大規模な台風や地震をどうして防げないのでしょう。
偉いのは人間ではなく、自然です。それぞれの人間が「己を知る」必要があると思います。我々は自然には勝てません。もっと、自然の声を聞き、自然と共に生活することを考える必要があると思います。
「宇宙全体が早くなっている。人間が遅れているだけ。人間が自然に合っていないだけ」
この言葉を残して下さった佐野藤右衛門さん。2025年10月31日 老衰のため死去。97歳。
ご冥福をお祈り申し上げます。
じゃ、また明日!