2525枚目■　「自分さえ」は得になる？

最近のマナー違反は目に余るものがあります。ある年代からは、小さい時から親に躾をされないで育ったからだと思います。そしてそのように育った人がまたそのように子育てをする、というループになるのです。

ある方のblogで知ったのですが、最近は高速バスで隣席に人が来ないように、2席分を予約して、出発直前で1席をキャンセルするとか。「相席ブロック」とかで運行会社が頭を悩ませているようです。新幹線でも同じことが起こっているようです。自分がゆったり座れて、隣のうっとうしさがないのが良いのでしょう。これらの行為によって、バス会社は売上を失い、本来乗れるはずの人がバスに乗れなかったのです。「自分さえよければ」です。

ある投稿の記事ですが、これも新幹線で3歳くらい子どもと赤ちゃんを抱いたお母さんが座っていました。そこへ老夫婦がやって来て自分達の席にそのお母さんが座っていたので、「席を間違えていませんか？私たちの番号がそこなのです」と言っても、そのお母さんは「私はここに座っているのです」と言って動こうとはしません。もう一度老夫婦は「ここは私たちの席なのです」というと、その母親は「子どもがいるのよ！なんで立たなきゃいけないの！」と、大声でわめきだしたので、仕方なく車掌さんを呼んできて、動いて貰ったとか。
これも子どもがいて大変なのはわかりますが、では老夫婦を立たせて良いのかということになります。

この投稿者はその母親が自由席に移動したら、その状況を見ていた人たちが口々に「確実に座りたかったら、指定席を取るべきだよね」とささやいていたとか。「自分さえよければ」のパターンです。

最近スーパーで時々見る場面です。コロナ過でクセが付いたのかレジも前の人と間を開けて並んでいます。そこへレジを終わった人がかごを動かすと、通りすがりに自分のかごを置いてレジをするのです。レジの人は見えていても何も言わずにレジを続けます。私は毎回見るたびに「すみません、ならんでいるのですがー」と大きな声で言うようにしています。今まですべての人が「あ！わからなかった」「すみません」と言って列の後ろに行こうとします。その時にもう一度「ごめんなさいね。皆さん並んでいるので」というと、ペコペコ頭を下げて列の後ろに行かれます。

皆さん悪気はなく、陳列棚に平行して並ぶので、確かに見えにくいかも知れません。でも、何年も経つので、わかっているはずだと思います。
しかし、面白いのはここからで、サッとレジにかごを置いた瞬間に並んでいる人は「あ！横割りだ！」という目でその人を見ています。私の大きな声でこちらを見た途端、並んでいる人の視線がその人に集中します。そして、すみませんという風に頭を下げると、それらの目は「この人わる人ではなかったんだ」と、柔らかいまなざしに変わります。

横割りのままレジを済ませていれば、「自分さえよければのルールを守らない人」という視線を背中に感じて帰ります。他の人も嫌な感じで終わります。しかし、謝ることによって、本人は思ったより良い人というまなざしを受け取るし、並んでいた人も「ちゃんとした人なんだ！」とストレスを溜めなくて、結局はみんなの気持ちにちょっぴり「得」を感じます。どういう態度に出るかによって、自分も回りも気持ちが変わります。

最近は店員さんやレジはアルバイトが多くなったので、注意をしなくなりました。近所の子どもでも注意をすると逆に何をされるか分からない時代になってきました。だから公の場での行動がわからないのだろうと思います。

どんな立場の人でも「自分さえよければ」は、誰の「得」にもならないということだと思います。

じゃ、また明日！