私たちは日々イライラすることにぶつかります。時間がない時により仕事をもってこられたり、理不尽なことを押し付けられたり。その怒りのもって行きようがない時に、人に当たったり、もっとひどくなると「誰でもよかった」という事件に発展したりします。
つい最近のマクドナルド店での北九州中学生殺傷事件なども、面識のない人による犯行のようですが、以前にも殺傷事件で「誰でもよかった」というのが多々あります。本人は自分の怒りを誰でもよいからぶつけたかったかもしれませんが、ぶつけられた方はたまったものではありません。今度はぶつけられたご家族の怒りはどこにぶつければよいのでしょうか。
神戸市営地下鉄三宮駅でも、18日70代女性が刺されました。搬送時には意識があり、現行犯逮捕の49歳の女とは面識がないということです。これも「誰でもよかった」のかも知れません。
これらの犯人の内面には何らかの怒りがあり「行き場のない怒り」を誰でもよいから刺すという行動に移したのだと思いますが、世の中のかなりの人が同じように怒りを抱えている可能性があると思います。それを何らかの方法で発散させて自分の中で均衡を保っているのだと思います。ジムやヨガ、瞑想などが必要とされるのも、そのためだと思います。
私もフィットネスジムに通いだしてからは、仕事で何かイライラがあったとしても、ジムで汗をかけばもう拘らなくなっていました。そしてヴェーダ瞑想をし始めてからは、脳をカラにしてリセットするので、怒りそのものも感じなくなってきました。
怒りというものは大きなエネルギーを持っています。それを良い方向にもって行けば、自分の目的を達成する方向に使える可能性があると思います。
池袋暴走事故で妻と子どもを失った松永拓也さんは、自らの無念と怒りを同じようなことが起こらないようにと、あちこちで講演をされています。本来なら怒りでいっぱいのはずなのに、加害者と面談をし怒りのエネルギーをを交通事故撲滅へと変えて行っておられます。そんな松永さんに沢山の誹謗中傷も届いています。横浜市の当時女子中学3年生は「殺害予告」まで送りつけています。女子生徒は松永さんに対し「完全に金目当てで草笑」「そんなに辛いなら私が変わりに殺してあげよっか?笑」などとしていました。
過去にもネット上でのトラブルがあったという女子生徒の現状について、「それを踏まえると、ご家族だけでは彼女を支えきれない状況にあるのではないかと感じました。だからこそ、社会全体で彼女を受け止め、支え、成長を促すことが必要だと考えました」といって、被害届を出し、彼女の成長の機会を作りました。
加害者との面会を果たした松永さんは誹謗中傷の中でも「彼の後悔とか経験とか、言葉を託してもらったと思っている。彼の後悔を無駄にしないように。交通事故の現実を知って、多くの人にこの現実を知ってもらう。これが僕にできること。それを続けていく、自分の命があるうちは」と、述べられています。
奥さんと子どもを奪われた怒りは消えることはないと思います。しかし、その怒りを自分と同じような目にあってほしくないと思う気持ちから、その怒りのエネルギーは講演会で交通事故の現実を知ってもらいたいという良い方向に使われたのだと思います。
私たちは怒りと裏表で存在している時があります。その怒りのエネルギーを無差別に他人の命を奪うことに使わず、良いエネルギーに使うことを願います。
じゃ、また明日!