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私自身、教えられるのが非常に下手だったのですが、世の中にはそういう人もいるようです。
あるblogを見ると、わざわざ出張して教育指導をするために来ている上司が、本気で育てようと思ったら、
近い距離感で接していかなければ成長には限界があると、書かれていました。
今回は物事の観点と仕事のやり方をテーマにされていたようですが、そこのズレを感じておられるようでした。
この観点や考え方のズレというのは、私も教育される側としてよくわかります。
言われた言葉だけで理解するので、その言葉の成り立ち、背景の考え方が分からないからです。
上司はその教えようとしている考え方に辿り着くまでには色々な経験、勉強をされたと思います。
しかし、教えられる側はその経験、考え方がまだ蓄積されていないので、
言われた言葉だけで、しかも自分の想像力だけで理解しようとしています。
そこにズレが生じるのだと思います。
そのズレにお互いジレンマを感じてしまうのです。
例えば日の出を見ても、住んでいる場所によって違いはありますが大雑把に言って、
太平洋側に住んでいる人は「太陽は海から出て山に沈む」と思っています。
大西洋側に住んでいる人は「太陽は山から出て海に沈む」と思っています。
なぜなら、毎日見ている太陽がそうであるからです。
同じ太陽を見ているのに。
この時、教える側が太平洋側にいて日の出を事を一生懸命話しても、
教えられる側の人が大西洋側にいて日の出の事を一生懸命聞いても、同じ映像を浮かべることはできません。
むしろ、毎朝山から出る日の出しか見たことがないのに、どうして海から出るというのだろう?と思います。
しかし、教える側も事実を言っているのだから、どうして伝わらないのだろう。と思ってしまいます。
この時の前提は、太平洋側と大西洋側では同じ太陽でも見え方が違うという前提を説明して、
今は太平洋側から見た日の出の話をしています。となれば、
教えて貰う側もどこに焦点を当てればいいのかわかって聞くことができます。
例えば、算数を教えるにしても、
穴あきドリルでよくあった「答えは4です。4になるにはどの数字とどの数字がいりますか?」という問いの場合、
1+3=4 3+1=4 1X4=4 2X2=4 2+2=4 と色々なパターンがあります。
教える側は、今は足し算を教えているので、当然答えは「2+2=4」だと思っています。
しかし、たまたま兄弟が掛け算をやっていて横で一緒に勉強していた子が、
「昨日おにいちゃんが来てやっていた!」と、思って答えを「2X2=4」と答えます。
すると、先生は「違います」となります。
前提は「足し算の勉強をしている」という事だからです。
「4」という答えを目的だとすると、企業に於いてこの仕事の目的、目標は「4」であると上司が思っていても、
部下が足し算以外のやり方でやれば、目標の「4」に向かってやっているのに、やり方が違う。
という事になります。
ここでは「今は足し算でやる」という共通認識がなければズレて来ると思います。
そこを考えることが部下が成長するきっかけかも知れませんが、
いつまでたっても部下が気付かなければ、成長には結び付きません。
上記のblogの方も「やり方自体を教えてあげることで仕事の技術が向上していきます」と書かれていました。
仕事の技術を覚える時と、自分の思考を研鑽する時とは違うかも知れませんが、
これらをよく考えて学ぶという事をしないと、勿体ないと思いました。
じゃ、また明日!