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ある文章を読んでいたら「レバレッジ」という言葉が出てきました。
私にはご縁のない言葉だったので、検索してみると「てこの作用」というような説明も出てきました。
投資の世界でもよく聞く言葉です。
そんな中で面白かったのが、田端信太朗氏のインタビューでのレバレッジの説明でした。
田端氏のレバレッジの定義は「より少ない労力でより多くの果実を得られるようにすること」
要は効率を上げる道具だとか。
例えば、足で歩いていたのを、自転車・車・電車・飛行機を使うと時間と移動距離の差は明らかです。
一般の生活の中でも、スマホ・キャッシュレス決済・冷凍食品・トラクター・写真などもすべてレバレッジ。
我々はすでにレバレッジを使っていたということになります。
田端氏によれば、人類の進化にはレバレッジが大きく関わっていたということです。
皆が使うようになって、ある一線を超えたら利用するのが当たり前になる。
「わからない」「怖い」という感情は、わかっていないことを知ろうともしないから怖い。
怖いから知ろうともしない。
言われてみれば小さい頃、写真を撮ると魂が抜かれるとか、三人の真ん中の人は早く死ぬとか昔から言われていると、お年寄りから聞いたことがあります。
今でこそ、笑い話になりますが、それが使われる初期の人たちは、まじめにそう思っていたようです。
私も今ではキャシュレス決済をしていますが、最初の頃は現金でないと不安で、なかなか使えませんでした。
リスクを恐れるのは生命の本能だから仕方のないことかも知れないけれど、リスクがあるから悪いわけではない。
例えば金融取引でレバレッジを使った結果、大損する人もいるけれど、だからと言ってレバレッジが悪いということにはならない。
「レバレッジは価値中立で、それ自体がけしからんわけじゃない」と、田端氏は言われています。
結局、怖いとか怖くないとかは、相対的に慣れ親しんでいるかどうかという程度の問題でしかなく、
便利さと危険のバランスの中で便利さを十分に味わっているんだから、リスクがあるからと言っていきなり全否定とはならない。
最大限のリスクが起こったとして、どうなるんだろうと考える。
その最悪のパターンは、やりようで回避できる。
最悪を想定した上で、やってみることが大事。
死なない程度に怪我をするバランス感覚を見つけるべき。
レバレッジとは「価値中立のツール」であるので、レバレッジの力を上手く使えば、仕事も生活も質を向上できる。
と、田端氏は宣言されています。
大阪府の吉村洋文知事が新型コロナウイルスの第二派到来に備え、3~4月の「ピークアウト」の時期や理由について、専門家会議を開いて府独自に分析し、今後の感染拡大防止の戦略策定に生かそうと考えています。
これはまさしくレバレッジの力を上手く利用しようとしているのではないかと思いました。
第二波のコロナウイルス感染拡大と経済へのさらなる深刻な打撃、
それを死なない程度に怪我をするバランス感覚で、今、大阪府は探っているように感じました。
私の中では投資の言葉としてイメージしていた「レバレッジ」。
「最悪のパターンは、やりようで回避できる」という田端氏の考えを、大阪府で証明できたらと願います。
じゃ、また明日!