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本日は、地域交流セミナーの「”がんゲノム医療”とは?」という特別講座を聞きに行きました。
講師の柳田 絵美衣先生は、慶應義塾大学病院のゲノム検査室で検査技師としてお仕事をされている方です。
ゲノム検査という病理は、患者さんの細胞を採って悪性か良性かを判断するお仕事です。
いわば、裏方の部署です。
医師や看護師、薬剤師さんのように直接患者さんを助けることはできません。
そういう立場で「臨床検査技師とは何なんだ」と思われた時もあったようです。
しかし「道を選び、道をひらく」ということで、検査技師のお仕事を続ける決意をされました。
推定されるヒトの全遺伝子数は約23,000個。その中で、がんに関連する重要な遺伝子は数百個。
これを調べていくのだそうです。
現在は「がん遺伝子パネル検査」というものが2種類あり、どちらか1つだけしか受けられません。
しかも、保険診療で受けられるのは人生の中で一度きり。(2020年2月22日現在)
がん患者の1~2%にしか恩恵がないという現状です。
次にまた検査を受けたい時は、自費診療による「がん遺伝子パネル検査」(1回数十万円)になります。
慶應義塾大学病院では、初診患者への対応として、他ではやっていない臨床検査技師による医療面接をしています。
そして、遺伝性腫瘍症候群については「結果を聞きたいかどうか」を患者さんに聞き、聞きたい場合は、遺伝カウンセラーと一緒に話をします。
しかし、実際は聞きたくない人はいなかったようです。
患者と面談をして、患者の背景を知っていると、それなりの価値があるようです。
検査した時のDNAの状態の、前の情報を知ることが出来、最終的なゲノム品質がどの程度になるか予想ができるという価値です。
そして、検査をしている時も、検体(ゲノム)がモノではなく、人として扱うことができ、
「Aさんの検体だから、早くやらなければ・・・。とか、Bさんの検体だから正確にやらなければ・・・。と、検査をしていく中で励みになる。」と言われていたのが印象的でした。
背景を知るということは、非常に大切なことだと思います。
背景を知ることにより、検体というモノに命が吹き込まれます。
そうなると仕事に対する行動も変わってきます。
当初「臨床検査技師とは何なんだ」と思っていた柳田先生は、今では「臨床技師にしかできないことがある」と、自信を持たれています。
物事の背景を考えながら仕事をするということは重要なことで、それに気が付いていないから、
小学校の教員による教員のいじめや、児童相談所の無責任な判断や、こども家庭センターで夜中の3時に小学6年生女児を追い返すという判断が、平気で起こっているのだと思います。
柳田先生のように遺伝子というゲノムの背景を考えながら仕事をするのが当たり前の社会になって欲しいものです。
私自身、自分の背景すらあまり考えていませんでしたが、それを考え、自分の立ち位置を考えてやっていきたいと思います。
どんな事であれ、その背景を知ったり、考えながら仕事をすれば、おのずと行動は変わってくるのだと思います。
じゃ、また明日!