何かをやろうとする時、或いはやりたいと思う時、先ず最初に自分の頭の中で「こういう風なことをしたい」とイメージを描くと思います。そしてそれをするためにはどのようなことをするか計画を立てていくと思います。
しかし、物事には必ずと言ってよいほど、障害が出てきます。
その時です。結果が別れるのは。
「無理」だからと言って諦める場合。「無理なら、違う方法で何とかする」と、諦めずに解決方法を探す場合。
結局は、目的を諦める場合と、目的が叶うまであらゆる方法を探して目的を達する場合とになります。
後者の場合は「何か方法があるはずだ」と考えに考え、「どうしたら出来るか」を調べに調べ倒すと思います。
目的を達成する為の拘りがそこには生まれます。
今日のNHK「新プロジェクトX」の再放送「~挑戦者たち~世界遺産・姫路城」もそうでした。
平成の大修理を落札した会社が、5年半も掛けて大天守の7万5千枚の瓦を蘇らす中には、思いもよらない障壁がありました。
「灰頭(はいがしら)」という特殊な漆喰の塗り方です。400年前の江戸時代の技法は左官職人のリーダーでも知りませんでした。よって落札出来なかったライバル社に頭を下げて教えを請うことにしました。ライバル会社は最初は自社の秘伝なので断わりました。しかし、左官職人のリーダーの「姫路城をよみがえらすために」という真剣なお願いにその技術を持っている職人を送りました。
断られた時点で「無理」と諦めてしまうのか、36年のプライドを捨て丁稚奉公のつもりで頭を下げまくるのか。
結局はライバル会社も自分達の技術が平成の大修の役に立つならと、技術から自分達が考案した道具まですべてを伝えたのです。
これは左官職人のリーダーの「日本の宝を守り伝えるため」という想いが職人たちを動かし、職人たちの想いを1つにしたのです。伝統の技と心を繋げて行くために10年以上はかかる技をたった数年でマスターし、ライバル会社の職人から「OK」を貰えたのです。
学びとは知識を詰め込むことではありません。「体験」こそが本当の学びなのだと思います。
目の前に現れた障害がどんなに大きくても、「無理!」ではなく「だったらどうする?」で乗り越えていく。
「無理」なことを「無理」のままにしておかず、「どうしたら実現できるのか」に意識を集中させる。
それが「今なすべきこと」に繋がり、結果「無理ではなくなる」のです。
その為には眠れないこともあるでしょう。胃の痛くなることもあるでしょう。
しかし、自分達の目的の為に乗り越えた時、そこには語り継がれる「建物」と「想い」が存在するのだと思います。
私たちは直ぐに「無理!」と言ってしまいます。私なども「無理、無理、無理!」を叫んでいました。
しかし、それを叫ぶ前にどれほど考え、どれほど努力をしたのでしょう。
「無理」を「無理」のままにしておくから「無理」なのであって、「ならどうする」の方に取り組めば、「無理」が「無理」ではなくなるのかも知れません。
じゃ、また明日!