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日経新聞12月22日付けに、作家・詩人・東京大学名誉教授の松浦寿輝氏の投稿が載っていました。

インターネット時代に入り、これからの大学教師の役割は、知識や技術を「教える」ということよりもむしろ、
学生がそれらを通じて自分自身を発見してゆくのを「助ける」という事になってゆくのではないか。
と記されています。
たんに知識の獲得だけが目的なら、わざわざ教室まで出かけていって話を聞くより、パソコンで検索して
然るべきサイトを覗いた方がずっと効果的だったりする。
そう言う時代における教師の仕事は、知識それ自体を伝授すると言うよりむしろ、
その知識を持つことにどういう意味があるのか、
それによっては解明できないどのような領域があるのか、
知識と知識を連結することでどういう新しい世界が開けるのか、
等々を教えるということになるだろう。
これからの大学教師の役割は、知識や技術を「教える」ということよりもむしろ、
学生がそれれを通じて自分自身を発見して行くのを「助ける」という事になってゆくのではないか。
と、書かれています。
私も知識だけならインターネットで得られると思います。
しかし、知識はあくまでも知識であって、大切なのは、知識と知識が結びついた時に新しい世界が開ける
という事を体験する事だと思います。
それはいくらインターネットで検索しても教えては貰えません。
自分というものを生きる為には、自分自身を発見していく助けが必要なのです。
なぜなら、自分1人ではなかなか発見出来ないからです。
そう言う意味でも、これからの教育は変わって行かざるを得ないと思います。
お医者さんにしろ薬剤師さんにしろ、目の前の仕事が忙しすぎてインターネットで必要に迫られた事以外を
ゆっくりと探す時間はありません。
よって、お医者さんよりも薬剤師さんよりも一般市民の方が良く知っている場合があります。
例えば病名を聞くと、帰ってからパソコンで検索しまくり、こんな治療法もある、あんな治療法もある。
と言ったように、先生よりも知っている場合があります。
薬にしても調べまくって、この薬は副作用がある、などと勝手に判断してしまう時もあります。
そうなれば、自由時間が多い人の方が、知識としては知っているという事が起こり得るのです。
知識と知識を結びつける能力。
これを開花させるのが、教育者だと思います。教育者は教員免許を持った人とは限りません。
個々人に気付きを与え、自立する助けをする人が教育の世界でも必要になってくるのではないでしょうか。
じゃ、また!


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