人は自分の知っていることしか知らないので、いつも自分は正しいと思ってしまいます。しかし、それはただ自分が自分以外のことを知らないだけであって、正しいとは限らないのです。
自分の価値観というのは、生まれた時から親や自分の周りの価値観で形作られます。よって、自分の周りといつも一緒にいれば、その価値観がすべてだと思ってしまいます。たまたまその環境にいたからその価値観になったのであって、もしかしたら違う価値観の中で育っていたら、同じ自分なのに今とは違った価値観になっていた可能性もあります。
価値観は人格形成にも影響をすると思うので、自分の育った環境や周りの人間の価値観に影響されているという事を、忘れてはならないと思います。自分にとっては当たり前のことでも、相手にとっては当たり前でないと言う事を忘れて、人は自分の当たり前で押し切ろうとします。
食べ物などは地域性が非常に大きいと思います。例えば、私が育った家は卵焼きやだし巻きは醤油を少し入れていました。小学校の時、親戚の家に泊まりに行った時、朝ご飯に卵焼きを出してくれたのですが、一口食べると口の中に違和感が拡がり、吐き出したくなりました。しかし、大好きな叔母が作ってくれたので飲み込みましたが、生まれて初めての味でした。そこの家は卵焼きには砂糖を入れるのです。醤油味しか知らない私にとっては衝撃的で、毎回噛まずに飲み込んでいました。
食べ物などはそこの地域で採れたものが美味しく、各地域でそれが一番美味しいものとして食しています。しかし、その地域を知らない人からすれば、同じ材料でも衝撃を受けるのです。おうどんの出汁でも関西と関東とは違うようで、最初は出汁の色で拒否反応を起こすようです。しかし、食べて見ればどちらもそれなりに美味しく、理解出来れば問題の無い事なのです。
私たちは自分と違う価値観に触れた時、無意識に自分の頭の中のデーターと違うと拒否をしてしまうのです。そして、違うから理解しようとするのではなく、違うからシャットアウトしてしまうのです。それは自分の成長にとって非常に勿体無いことです。自分の許容範囲を広げる折角のチャンスを自分が途絶えさせてしまうからです。
自分が知らないと言う事は、相手を否定するか拒否するか、兎に角自分の許容範囲を必死に守ろうとします。多様性のある人から見れば、何と狭い視野の人だと思われてしまうのです。それは自分にとってもマイナスな事だと思います。自分を成長させるためには、自分と違う事を知ってみるというのも大切な事だと思います。
自分の多様性を養うには、違う価値観の人と話す場合、先ず自分の価値観は横に置いておいて相手を理解しようと努めることが大切だと思います。理解したら同意したことになるから理解しないという人もいますが、それは違うのであって、同意はしなくても理解して受け入れば良い事なのです。違いは違いとして受け入れ、相手を否定したり批判したりするのではなく、こういう考え方もある、そういう考え方もあると、自分以外の考え方もあると言う事を認めれば良いだけのことです。
自分は同意しないけれど、そういう考え方もあるという事を知っておくだけで、自分の視野が広くなり、多様性のある世界観が自分の中で拡がって行くと思います。それが増えると自分自身も柔軟性が出て来て、より人を受け入れることが出来るようになると思います。自分と異なる価値観に触れるのも、人間性を高める1つだと思います。
じゃ、また明日!