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最近、折角入社したのに、すぐに辞めてしまうと言われますが、

今とは違う理由で直ぐに辞める場合があります。

それはバブルが崩壊して、企業が合理化をしだした時です。

ずっと以前は、企業は入社してから1か月ほどかけて

新入社員教育というのをしていました。

しかし、人員削減で教育している暇がなくなり、即戦力として使わざるを

えなくなったのです。

するとどうなるかと云うと、マニュアルを作っておいて、新入社員に

「これ読んで自分でやって下さい」という教え方になりました。

新入社員は、どんな仕事があるのか、どうすればいいのかわからない状態で

回りに聞きたくても、先輩方が非常に忙しそうにしているので、

聞ける雰囲気では無かったようです。

ある人は入社した日に自己紹介も部屋の人の紹介もなく「ここがあなたの席です」

と言われたきり3日間、誰とも何も話さなく耐えられなくなって、隣の席の人に

「何をすればよいですか?」と聞くと「自分で考えて下さい」という返事でした。

それでその人は耐えられなく、すぐに辞めました。

あの頃の企業は、新入社員に教える余裕がなく、教えていたら自分の仕事が

滞ってしまうので、新入社員はほったらかし状態でした。

現場でやり方を見せられない人間が、口先や能書きで指導し始めた時に、

「組織は衰退する」と言われています。

そして「マネージャーの現役度が組織の活力」とも、言われています。

自分が出来ないことを、部下や新入社員にやらせるのは無理な話で、

先ずは自分が先頭を切ってやってみるとか、一緒にやるとかしないと、

人は育たないと思います。

それがいつしか時代はマニュアルブームになり、マニュアルさえ作って渡せば、

全員が同じように出来ると思われてしまったのです。

それは手順としてはマニュアル通りにすれば全員同じように出来るかも

知れませんが、現場での応用が利きません。

笑い話であったハンバーグのお店も、お昼に同僚の分もまとめて20個買いに来た人に

「こちらでお召し上がりですか?それとも、お持ち帰りですか?」と、確認するのも、

マニュアルの成果なのです。

お店のスタッフ側から言えば、きっちりマニュアル通りの接客をするように

言われているので、問題は無いのです。

しかし買いに来た客側からすれば「見ればわかるだろう!」のレベルです。

社員を育てると云う事は、会社の顔を育てると云う事になると思います。

特に接客業などは、たまたま接したその人の印象で、会社全体のイメージに

なってしまうのです。

社員一人1人がその会社の広告塔なのです。

社員を育てるには、先ず自分が現場に降りて行って、現場を把握し、

対処法を背中で見せると、他の人も1つ1つ理解していくと思います。

お客様が求めているのはクオリティー(品質)であって、会社が大きくなる事には

あまり興味が無いのです。

人を育てるには、現場でやりながら育てていくのが一番良いようです。

自分の器を拡張していきながら、出来ないことはやろうとする必要は無く、

誰にでもできることを積み上げていく。

気が付けば大きな会社になっていたという、中身のある組織を作って行く

ことが大切だと思います。

「現場の中に答えはある」というのは、どの業種にも共通するものだと

思います。

じゃ、また明日!

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jibunoikiru@gmail.com

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