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ひと昔前までは、会社の中で上司が部下に「俺たちの時代は・・・・・」と
いう言葉が当たり前のように出ていました。
聞かされている方は、心の中で「それはあなたらの時代だからそうであって、
今の時代は状況が変わっています」と、思っていました。
最近ではそういう言葉は出て来なくなりましたが、政治関係や役所関係は、
言葉には出していなくても、暗黙の了解がまだ残っている所もあると
思います。
私たちは日常会話の中でも何か相談されたり、問題が起きてしまうと
何だか慌ててしまい、何か良いアドバイス、参考になることを
直ぐに返して解決しようとします。
私など特にその気があるかも知れません。
しかし、これは相手の事を聞いているようで実は聞いていないのです。
じっくりと相手のお話を理解して解決しようとしているのではなく、
次に自分が何を話そうかと考えながら聞いているのです。
結局は自分の領域から出ていないのです。
よって返答と言えば、自分のそれまでの経験を思い出し、
その経験に照らし合わせているだけなのです。
結果、相手を理解しようとして聞いているのではなく、
自分の経験を相手の経験に重ね合わせて理解したつもりに
なっているのです。
自分が掛けているメガネを、
相手に掛けさせようとしているだけなのです。
それでは相手の身になって聴いてはいないし、
本当の共感とは言えないのです。
相手を理解しよう、相手を理解したいと思う気持ちが、
共感による傾聴になるのです。
相手の視点に立ってみる、相手の眼で物事を眺め、
相手の見ている世界を見ること。
これが共感だと思います。
そうなると、上司が部下に対して、或いは相手との会話の中で、
「俺たちの時代は・・・・」ということが、相手を理解するのに
必要なことかどうか。
今現在の問題解決に必要なことなのかどうか。
そういう会話に留まるよりも、相手の事をよく理解し、
相手に未来を語ってもらい、その未来に共感する方が、
意味ある楽しい時間になると思います。
「自分の過去の話をするよりも、相手の未来の話を聴く」
無意識のうちに自分の過去の経験を重ねている私など、
自分に釘を刺す必要があるかな、と思ってしまいました。
じゃ、また明日!