タグ:
今日の神戸新聞朝刊に「ボランティア文化に陰り」という見出しで
記事が掲載されていました。
能登半島地震で、発災1か月を過ぎても災害ボランティアセンターを通じて
活動しているのは、延べ2739人。
阪神・淡路大震災では発生1か月で延べ62万人。
29年経ったこの違いは一体何なのでしょうか。
当然、ボランティアセンターが募集する以前に早期に活動している方々も
おられると思います。そういう方々は数には入っていないと思いますが、
しかし、その差は何なのかなと思ってしまいます。
1月中旬。「神戸国際支援機構」のメンバーは、石川県珠洲市に連絡を取り、
医師や看護師と一緒に避難所を訪問したけれど、活動を断られたという。
市に問い合わせると「現場に任せているので」と言われた。
そこには医師はおらず、避難者らの体調も心配されたとか。
事前計画では「現場に任せる」となっているかも知れませんが、
その現場が被災して混乱している中で、どのように受け入れ、
どのように手伝ってもらうのか。
その場合の事前計画はどのようになっていたのでしょうか?
神戸国際支援機構の代表の方は、
「能登では、災害派遣医療チームなど、公的に認められた団体でなければ
 活動しにくい。プロとアマを区別してしまう空気がつくられてしまった」
と、嘆いておられるとか。
最初の72時間は生死を分ける一番大切な時間であると、震災のたびにマスコミでは
言われています。
よって、72時間以内が一番救助活動の人手が必要な時だと思います。
確かに、道路が寸断されて通れない所もあると思います。
医療そのものは専門家に任すとしても、それ以外の部分をボランティアが
補助できることはないものかと思います。
家や家具に挟まれた場合、人手で引っ張り出して助かる場合もあります。
そういう時、医師や看護師の活動を断って、みすみす助かったかも知れない命を
ムダにしてしまってもいいものかと思います。
石川県は「個別に被災地に行くことはお控えください」と呼び掛けていますが、
それに乗じて行動をしていない口だけの「ネット私刑」もいるようです。
ボランティアの自粛ムードは東日本大震災や熊本地震でも見られたようですが、
これは阪神・淡路震災の時に全国から駆け付けたボランティアの活動を、
どう捉えるかによって判断が違うようです。
「混乱」と「自由」の両側面が指摘され、大阪大大学院教授の渥美公秀氏(災害社会学)は、
「行政側は『混乱』と捉え、全て管理したいという空気がその後、出て来た」
「市民を信じない風潮が根底にある」と指摘し続けられました。
能登半島での活動を希望する学生もいるが「SNSでたたかれる」と委縮し、
被災地入りを諦めているという。
「たたき屋」は、どの位のボランティア活動を実際にしたのでしょうか。
「被災地NGO協働センター」顧問の村井雅清氏も、阪神・淡路で殺到したボランティア
について「行政は混乱したが、被災地は助かった」
「当時は多くがボランティア初心者で失敗や間違いもあったが十人十色、
 みんな自分で考えて動いた」
「市民が自主的に動ける文化がなくなっていると感じる。
 あの時のボランティアたちに申し訳ない」と言われています。
行政が全てを管理したいなら、それはそれで良いと思うので、徹底してそれらを
全国的にシステム化して欲しいと思います。
行政が混乱すること自体、災害時計画が出来ていないという事ではないのでしょうか。
そしてそれぞれのボランティア活動を分析し、良い部分は経験値として積み上げ、
悪かった部分は、どうすれば良くなるか改善をしていくという作業を、
どれだけ積み上げていっているのかと思います。
それと平行して個人の援助活動の聞き取りをして、
いつ、どのような援助をしてもらって助かったのか。
これも被災者の方々に丁寧に聞き取りをすれば、あぶり出てくると思うので、
そのマスコミでさえ追いついていない初動の経験こそ、人々の命を救う活動として
参考にしていけば、有効なシステム化のマニュアルが出来るのではないかと思います。
「個別に被災地に行くことはお控えください」と呼び掛けることは、
助かる命も助けられないのではないかと思います。
自分達が迅速に全てにわたって活動できるのなら、それでも良いとは思いますが、
それが出来ていないのが現状だと思います。
この30年で大きな震災は幾つも起きています。地震に限らず、台風でも同じです。
国を挙げての震災復旧作業のシステム化は、大臣が14日後に現地入りするのは、
遅すぎると思います。
じゃ、また明日!


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

投稿者

jibunoikiru@gmail.com

関連投稿

タグ:

2280枚目■ 行動と言葉を一致させる

「言行一致」とよく言います。口で言っている事...

すべて読む
タグ:

2274枚目■ 「無理」「ならどうする」

何かをやろうとする時、或いはやりたいと思う時...

すべて読む
タグ:

2235枚目■ 何を捨て何を残すか

私は昔から「マイナスの美」の美しさが好きでし...

すべて読む
タグ:

2233枚目■ 自分が自分をどう思うか 

私たちは人目を気にして生きている場合がありま...

すべて読む
タグ:

2232枚目■ 目的の為なら共にやれる

今回のNHK「新プロジェクトX」は、世界遺産...

すべて読む
タグ:

2231枚目■ 共に目標を達成する能力 

人が他人と協力し共同の目標を達成する能力は、...

すべて読む