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私が小さい頃は市場しかなかったので、どのお店でも買い物をしたら、
店主と買い物客のやり取りがありました。
「今日はこれ安いでー」「ほな負けといて」
そんな会話の繰り返しの中でそこの家族の事を知って行かれたと思います。
例えば小さい子供がお使いに行くと
「今日はおかあちゃんどないしたん?具合でも悪いんか?」
「風邪ひいて寝てるから、ボクが変わりにお使いに来た」
「ほな、これ負けとくからおかあちゃんにはよ治してや!ゆうといて」
こういう日常の中で足し算や引き算を覚え、人とのコミュニケーションが
自然と身に付いて行ったのだと思います。
今のスーパーマーケットでは、残念ながらこういう光景は見られません。
せめてレジのお姉さんの「ありがとうございました」ぐらいです。
もうすぐ全国でセルフレジになると「ありがとうございました」すら、
機械音になってしまいます。
昔の市場のように店主と直接やりとりをしたら、そこのお店から他のお店に移ると
いう事は非常に難しいです。
「馴染み」が縁を繋いでいるのです。
反対にスーパーの場合、近くの別のスーパーが開店すると、
そちらが安ければそちらにお客様は流れてしまいます。
ここでの勝負と言うのは、やはりお客様との繋がりです。
どれだけお客様の家族の事を想像し、どれだけその家庭に心を向けることが出来るか。
文明や文化が進めば進むほど、人との触れ合いが希薄になってくるような気がします。
よって、機械によって楽になった分、その空いた空間に人間が何を入れようと、
したのか。
それが大きな問いかけだと思います。
営業ではよくどぶ板営業という言葉が使われます。
自分が売りたいものを直接1軒1軒訪問して売り歩くのです。
手で直接売るので、そこには簡単な会話が生まれ、何回断られても諦めずに訪問すると
根負けして買ってくれることもあります。
これがNETで売れば、お客様の声を聴くことができません。
お問い合わせやカスタマーセンターはありますが、機械音の「もう一度やり直してください」
を連発されると、もういいやと諦めてしまいます。
自分が何かをしたい時、それは直接自分が動いてお客様や相手の事を見ながら
営業することは大切な事だと思います。
そこで繋がったからこそ、買って下さる可能性が大なのです。
何事もお客さま、相手を見ながら、触れながら商売は成り立つのだと思います。
じゃ、また明日!