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人間は生まれた時は何も持たず裸一貫で生まれてきます。
裸一貫とは、資本も名誉も地位も何もなくても、身体があるだけで一千文の価値があることです。
大人になって仕事で成果を上げ、会社からも評価され、人望もあり、部下も育てた人が、退職してから上手くいかない場合があります。
なぜなら、自分は半生でこれほどの事をやって来たから、という自覚が邪魔をして、再出発が出来ないのです。
「自分はこういう者である」と考えており「自分は何者でもない」という考えを持つ事が出来ないのです。
それまでどれだけ素晴らしい仕事をしていても、どれだけ実績を上げていても、それらは過去のものであり、現在のものではないのです。
実感を伴うものこそが、生きている仕事であり、生きている時間であるとするならば、
どんなに財産があろうと、肩書きや名声があろうと、死んでしまえばそこまでです。
あの世に持って行く事は出来ません。
人間はもともと裸で生まれて来たのであるから「自分は何者でもない」と気付く事が必要です。
「裸にて 生まれて来たに 何不足」
コレラなどの予防薬を最初に作った守田治兵衛は事業に失敗して無一文になり、死に場所を探して旅に出ました。
その時、この句を目にして悟るものがあったのです。
「俺はもともと裸で生まれて来たのだ。それが今、裸一貫になったからと言って、不平を言ったり狭い了見を起こしているのはとんでもない間違いだ」
人生はふとしたきっかけから、気持ちを切り替えて上手くいく事があります。
時を捉えて決断できるかどうか、成功はこの一点にかかっているようです。
人生は、開き直れば何でもできる。
人間は本来、力強い生き物のようです。
じゃ、また！
投稿者
jibunoikiru@gmail.com