ラポールとはフランス語が語源で、心理学の世界で使われている用語のようです。
「調和した関係」「心が通い合う関係」「こころの距離を縮める」などの意味があります。
親子関係、上司と部下の関係、顧客との関係、先生と生徒の関係、コーチングなど。
どの関係に於いても「信頼関係」は非常に大切です。
コミュニケーションとは、相手に話を聞いてもらい、聞いた話を相手が実行してくれると
いう意味です。
相手が実行してくれなければ、コミュニケーションが取れていないという事になります。
我々が間違いやすいのは、ただ耳で聞いて相手が「ハイ、わかりました」という事が、
コミュニケーションだと思ってしまう事です。
例えば、イジメ問題にしてもイジメた側を呼んで本人が「もうしません」と言ったので、
コミュニケーションが取れて問題は解決したと勘違いしてしまう場合です。
これでまた人のいない所でいじめが行われていたら、それはコミュニケーションが
取れていないばかりか「チクった」と余計にイジメがひどくなる場合があります。
話を聞く場合は相手の環境、言葉の背景をも感じていく必要があると思います。
たまたま今、旭川いじめ問題で、凍死した中学生が在籍した学校で説明会があった
ニュースを目にしました。
「10人の加害者の未来が大切」と言った、教頭が初めて釈明していますが、
その教頭は「そのような発言はしておりません」とのこと。
そうであるならば、なぜあれだけ説明してくださいとの要望があったのに
逃げ回っていたのか。逃げ回る必要があったか不思議です。
学校という所は特に信頼関係が重要な所だと思います。
生徒を守り育む場に信頼関係が無ければ、何も伝わらないのです。
コミュニケーションが取れなければ、いう事を聞いて貰えないのです。
それぞれの関係の場に於いて、こちらの言うことが伝わり、
伝わったことが相手の行動とならない限り、何も成立しないのです。
私自身、今迄相手が行動を変える所まできっちり話していたかと言えば、
話せていなかったように思います。
表面的な変化ぐらいは出来ていたかも知れないけれど、
相手に良い刺激を与える所までは届いていなかったように思います。
人が生きて行く上で、また自分の人生をより良く生きる上でも、
信頼関係=ラポール は重要な意味を持つと思います。
これからは、
相手の意図を汲み取る
相手に伝えたい内容が伝わる
相手の行動変革を促す
これらを意識してコミュニケーションをとり、
その基礎となる信頼関係を深めたいと思います。
「10人の加害者の未来が大切」発言を否定している教頭ですが、
この教頭の「信頼関係=ラポール」はどういったものなのでしょうか。
ちなみに、厚生労働省認可 教職員共済生活協同組合の本部建物の名前には
「ラポール」がつけられています。
これは教職員のみならず、学生・生徒との関係も含めて先人がこの建物に
大切にしたい「ラポール」を付けたのだと、私は解釈しています。
じゃ、また明日!