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昔からの言葉に「かけた情けは水に流せ 受けた恩は石に刻め」という諺があります。
「人から受けた恩はその人に返すのみならず、より多くの人に施せ。
そして自分が施したことは、その瞬間に忘れよ」
という意味です。
情をかける時は損得勘定なしで、そうしてあげたいと思うから情をかけるのだと思います。
しかし、人間関係に於いて「○○してやったのに」「あの時はこうしてあげたのに」と、
「のに」「のに」が付いてくると、自分がしんどくなってきます。
それはもしかしたら、情をかける段階で相手に何かを期待しているからかも知れません。
反対に、本当は相手が少しでも良くなるようにと思ってしたはずなのに、
相手から「あれもこれも」と次から次へと要求されると、筋が違うのではないかと思います。
純粋にかける情は、相手が少しでも良くなること以外は何も望んでしません。
しかし、それを良い事に自助努力なしにぶら下がってくる相手は、
手放した方が相手のためにもなると思います。
人は自分が困っている時は色々助けて欲しいと頻繁に連絡が来ますが、状況が良くなると
メールの1本も来なくなります。
こちらがその後の状況を気にしているにも拘わらず、連絡がありません。
よって、私は連絡がない時は解決したのだと、手放す事にしました。
それがお互いにとって一番良いのかも知れません。
反対に自分が良くしてもらった人、情をかけて下さった方は、反対に忘れることが出来ません。
なぜなら、それがきっかけで人生の分岐点の選択ができるからです。
受けた恩を忘れないのは人間だけではなく、動物も同じだと思います。
以前、スズメやツグミのひなを助けたことがありました。
べランダにそっと置いておくと、親鳥が来て連れて帰りました。
また、部屋の中に入り込んだので外に逃がしました。
すると翌朝、激しく鳥が鳴いているので窓を開けると、郵便受けの上に親鳥が来て、
じーっとこっちを見ていたかと思うと、何度も何度もお礼をするように頭を下げ、
暫く郵便受けの上を往ったり来たりして頭を下げ、飛んでいきました。
その時から親鳥はちゃんとお礼を言いに来るのだと感動したことがあります。
人間なら尚更、受けた恩は忘れないだろうし、受けたその人のみならず、
より多くの人に恩返しをせよ、と言われます。
これが「恩送り」に繋がるのだと思います。
2018年山口県で2歳の男の子が行方不明になった時発見して救出し、一躍有名になった
スーパーボランティアの尾畠春夫さん。お礼は一切受け取らず、子どもに伝えたいのは、
「もしも元気で大きくたったら、人が喜ぶことをしてあげて。人が悲しむことじゃなくて、
人が喜ぶことを。小さくてもいいから人が喜ぶことをしてあげてね」
と伝えたいと言われていました。
受けた恩は石に刻む人もいますが、魂に刻む人もいます。
人が悲しむことではなく、人が喜ぶことを。
私もそうありたいと思います。
じゃ、また明日!