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一期一会(いちごいちえ)という言葉があります。
人との出逢いは一度限りだから大切にしなければ。とか、
これで最後だという気持ちで接するように。とか。
仏教の言葉では「人間が生まれて死ぬまでのこと」であるので、
一期一会とは、一生に一度だけとか、生涯に一度限りという意味があります。
茶室の掛け軸にも「一期一会」をよく見かけます。
これから何回も茶会を開く機会があったとしても、この茶会と全く同じ茶会を
二度と開くことは出来ない。
よって、茶会は人生で一度切りのものと心得て、相手に対して精一杯の誠意を
尽くさなければならない、と。
これは茶道の世界だけではなく、ビジネスの世界でも同じです。
今日来られたお客様は、次また来てくださるかどうかわからない。
だから今日、目いっぱいのサービスでおもてなしをしておく必要があるのではないかと。
このたった1回の接客がリピータに繋がるかどうかになってくるのです。
平家物語の冒頭に有名な言葉があります。
「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり」
諸行とはすべてのもの。無常とは常が無いということ。
つまり、すべてのものは変わり続けるという意味です。
同じだと思っても1秒後のその1秒はすでに過去なのです。
私たちは、いつ・どこで・何が起きるかわからない世界に住んでいます。
2019年12月以前は、コロナのコの字も知りませんでした。
それが2年経てばコロナは全世界に蔓延しています。
それによって、我々の日常生活も社会生活も一気に変わりました。
今、ウクライナの人々も人生が激変してしまいました。
「また会いましょう!」と何気なく別れたのが、それが最後の言葉になってしまいます。
それが最後だとわかっていたら、こうしていたのに、ああしていたのにと、
悔やむことしか残りません。
普段、まったく意識していない我々も、明日が同じようにやって来るとは限らないのです。
よって「今の出逢い、今日という日を大切にしましょう!」となるのです。
今朝TVを見ていると、日本在住のウクライナの女性が言われていました。
今までは電話をすると先づ「元氣?」というのが挨拶言葉であった、と。
しかし今は、「愛しているよ!」に変わって来たと。
親でも友達でも、次に会えるか、もう一度連絡が取れるかどうかさえもわからない。
よって、「愛してるよ!」の言葉が先に出てくるようになった、と。
我々日本人はそこまで切羽詰まっていないので、「元氣?」が先に出てくると思います。
しかし、それは誰にも保障はされていないのです。
平和な明日を願いつつ。
じゃ、また明日!