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我々は「待つ」という事が苦手になりました。
TVコマーシャルの時間が待てなくてチャンネルを変えたり、お手洗いに行ったり。
しかも、携帯を持ちだしてからは待ち合わせにもイライラしにくくなりました。
なぜなら、その時点で場所や時間を変えることができるようになったからです。
子育てにしても、その子が歩けて喋るまでは、ゆっくりと成長を見届ければ良いものの、
育児書を見て、遅いだの普通じゃないだのと、育児書に合わそうとして子育てをします。
育児書の見本はその子自身なのです。
第一次産業の時は、農業をするにあたって土を耕し、種を蒔き、水やりをして、収穫する。
といった四季折々の育て方がありました。
しかし最近は、機械や薬で早く収穫するようになりました。
それぞれに共通するのは「期待して待つ」からです。
子供が早く成長するように期待し、農作物が早く収穫されるように期待する。
自然のサイクルを狂わしてまで、早くできることに期待したいのです。
「待つ」という事は命の世話をすることには必要な事だと思います。
本来「待つ」という事は「期待しないで待つ」と言うことだと思います。
期待してしまえば期待したことに意識が奪われ、全く余裕がなくなるからです。
余裕がなくなればどの世界でも、より早く目的地に到達しようとし、
成果を早く出すため、競争に勝つためにあせって時間の無駄を省いていきます。
しかし、教育の世界や人を育てる世界では、機が熟すのを待ったり、
長い目で見たりするのは必要な事なのです。
相手を信じて待つ。
相手が自分の選択で自分の人生を動かすのを待つ。
その人がその人の人生を送ることを、想いを持って「待つ」。
相手が語り出し、語り切るまで「待つ」。
この時の「待つ」は「聴く」という事になると思いますが、
兎に角、相手を信じて「待つ」。
相手が自分でその苦しみとの関係を変えられるよう、
「聴き」ながら「待つ」。
これが「待つ」という事の意味かもしれないなと、思った次第です。
じゃ、また明日!


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jibunoikiru@gmail.com

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