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平成29年3月 文部科学省より「いじめの重大事態の調査に関するガイドライン」が、
参考資料6として出されています。
読んでみると、このガイドラインに関しては、良いものだという印象を受けました。
この通りに実行されていればの話ですが。
学校の基本的姿勢として、
・学校として自らの対応にたとえ不都合なことがあったとしても、全てを明らかにして
自らの対応を真摯に見つめ直し、被害児童生徒・保護者に対して調査の結果について
適切に説明を行うこと。
・いじめの事実の全容解明、再発防止が目的であることを認識すること。
・学校は詳細な調査を行わなければ、事案の全容はわからないという事を第一に認識し、
軽々に「いじめはなかった」「学校に責任はない」という判断をしないこと。
・自殺事案の場合、自殺に至るまでに学校が気付き、救うことが出来た可能性がある。
したがって、学校として事実関係を調査し、再発防止策を講ずる責任を有している
ということを認識すること。
・学校は被害児童生徒・保護者に対して自発的・主体的に詳細な調査の実施を提案すること。
・重大事態は、事実関係が確定した段階で対応を開始するのではなく、「疑い」が生じた
段階で調査を開始しなければならないことを認識すること。
・学校は重大事態への対応の重要性を改めて認識すること。
・被害児童生徒や保護者から、「いじめにより重大な被害が生じた」という
申し立てがあった時、学校が「イジメの結果ではない」あるいは
「重大事態とはいえない」と考えたとしても、重大事態が発生したものとして
報告・調査等に当たること。
調査をしないまま、いじめの重大事態ではないとは断言できないことに留意する。
・調査組織については、弁護士、精神科医、学識経験者、心理・福祉の専門家等の
専門的知識及び経験を有するものであって、当該いじめの事案の関係者と直接の
人間関係又は特別の利害関係を有しない者(第三者)について、職能団体や大学、
学会からの推薦等により参加を図るよう努めるものとする。
★説明時の注意点
・「いじめはなかった」などと断定的に説明してはならないこと。
*詳細な調査を実施していない段階で、過去の定期的なアンケート調査を基に
「イジメはなかった」「学校に責任はない」旨の発言をしてはならない。
・学校は、詳細な調査の結果を待たずして、速やかに被害児童生徒・保護者に
当該対応の不備について説明し、謝罪等を行うこと。
・被害児童生徒・保護者の心情を害する言動は、厳に慎むこと。
・被害児童生徒・保護者に寄り添いながら対応することを第一とし、
信頼関係を構築すること。
・調査組織の人選については、公平性・中立性が担保されていることを説明すること。
必要に応じて職能団体からも、専門性と公平性・中立性が担保された人物であることの
推薦理由を提出してもらうこと。
・学校は調査中であることを理由に、被害児童生徒・保護者に対して説明を拒むような
ことがあってはならず、調査の進捗等の経過報告を行う。
・学校はいたずらに個人情報保護を盾に情報提供および説明を怠るようなことが
あってはならない。
・加害児童生徒に対して、個別に指導を行い、いじめの非に気付かせ、
被害児童生徒への謝罪の気持ちを醸成させる。
★各教育委員会等で重大事態となった事例
・心的外傷後ストレス障害と診断された。
・多くの生徒の前でズボンと下着を脱がされ裸にされた。*
・わいせつな画像や顔写真を加工した画像をインターネット上で拡散された。*
*の事例については、通常このようないじめの行為があれば、児童生徒が身心又は
財産に重大な被害が生じると考え、いじめの重大事態として捉えた。
以上、旭川14歳少女イジメ凍死事件を意識してピックアップしました。
これを読むと、いかに多くの犠牲者の上にたって出来たガイドラインかがうかがわれます。
書いている通りに各都道府県・市がガイドラインにのっとれば、
いじめは防げる可能性があります。
ただ、現実はガイドラインを知らないのか、国のガイドラインを無視しているのか、
机上の空論状態です。
本来、教育委員会制度の意義は、政治的中立性の確保のために作られたものです。
(文部科学省 教育委員会制度について)
そこには「教育行政の執行にあたっても、個人的な価値判断や特定の党派的影響から
中立性を確保することが必要」と、書かれています。
数知れない「イジメの重大事態」の結果、このガイドラインが出来たはずなのに、
校長・教育委員会は、自分の保身のために旧態依然とした状態にしがみついています。
世間や保護者の価値観が変わったことに気が付いていないのです。
しかし、今回このガイドラインを見る機会を与えてくれた、
旭川14歳少女イジメ凍死事件に、一筋の光が見えてきたような気がします。
この「いじめの重大事態の調査に関するガイドライン」が、
『生きたガイドライン』になるよう、願うばかりです。
           ↓
じゃ、また明日!


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jibunoikiru@gmail.com

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