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よく「知らない世界を知りなさい」と言われます。
確かに、自分が生まれて育ってきた世界しか知らないし、その世界がすべてだと勘違いしています。
その勘違いが、自分は正しくて人が間違っている。という思い込みです。
その思い込みのまま月日がたつと、いつしか取り残された自分になってしまいます。
イタリアの三ツ星レストランで日本人初の副料理長が、日本に帰ってきて自分のお店を開きました。
そのお店も半年でミシェランの一つ星を獲得し、以後星は保たれています。
そのシェフのお店は、外から見れば成功しているように見えますが、実際は長時間労働で人間関係は最悪化。
経営はギリギリで、スタッフも自分自身もしあわせではありませんでした。
これはまずいと思ったそのシェフが、サイゼリアでアルバイトをしました。
そこで学んだことを実践すると、スタッフ1人当たりの年間売り上げが約2.2倍、経常利益率が8%UP、
労働時間は4割減、従業員数が4.4%減でまわるようになりました。
すると生産性はどんどん上がり、ストレスも解消されて行くのでスタッフ同士も仲良くなり、皆どんどん幸せになって行ったのです。
そして、今年の3月~5月、新型コロナが蔓延している中、星付きのレストランでさえ閉鎖に追い込まれているのに、そのお店は黒字でした。
シェフは原理原則を守り通しました。
その原理原則とは「より良い方向に変化し続ける」ということです。
「危機感×気付き×即行動」のサバンナ思考を高速サイクルで回す危機回避術。
「一流や世界一のやり方を真似して丸パクりする」ショートカット術。
これを守っていたとのことです。
シェフがファミリーレストランでアルバイトをした時、店内の動線や仕組みやマネジメントのレベルの高さに驚きました。
そして人間関係に於いては、ほとんど上下関係が無いことです。
高校生の先輩のアドバイスを素直に聞くシェフ。
モタモタしていても、怒鳴られることはないし、むしろ手を貸してくれる。
「働きやすい職場とは、こういうものなのだ」と感動したシェフは、今までの自分の行動を振り返りました。
そして、不条理で不合理なやり方が大嫌いだった自分なのに、いつしかその想いは忘れ、
丁寧に仕事は教えないし「黙ってオレのいう事を聞いて居ればいい」的な考えに支配されていた自分に気付きました。
その結果、スタッフは委縮してしまい、仕事は覚えられないし、顔色を窺うようになってしまったのです。
そしてその状態は、スタッフのメンタルが弱くて、力量が無いからだと思っていました。
しかし、かつての自分の理想象がファミリーレストランにあるのを見て、
シェフは、今の自分の環境と違う世界に身を置いてみると、多くの気付きが得られることを身をもって知りました。
それが結果的に新型コロナ禍の現在に生かされて行っているのです。
大きな認識の間違いは、自分の今いる世界が正しいという思い込みです。
どんな些細な事でも、自分以外の世界を知ることによって、自分の世界もまた大きくなれるのだという事です。
じゃ、また明日!