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ビジネスに於いての価値提供と言えば、何か大きな事のように思ってしまいます。
お金との対価でその価値に見合うだけのものを提供しなければ、お客様は付いて来ません。
そのため、企業に於いてはかなり真剣に考えなければならない部分だと思います。
しかし「価値=お金」だけとは限らないと思います。
「価値=エネルギー」と考えた場合、その価値は無限大になります。
パナソニック株式会社が大阪府に、新型コロナウイルス感染症のワクチンなどの研究開発費として2億円を寄付をしました。
パナソニック自体も余裕があるわけではありません。むしろ会社は厳しい状況にあると思います。
しかし、人の命を守るために、そして経済社会の為に多額の寄付をしたと思うのです。
それはパナソニックという会社の社会貢献に対する「価値観=エネルギー」だと思います。
そのエネルギーがコロナとの闘いを好転させ、社会経済活動を前に進める価値提供になると思います。
6月1日20時より全国の花火業者が「Cheer up!(チアアップ)花火プロジェクト」と銘打って、各地で一斉に花火を打ち上げました。
今年は夏の風物詩である花火大会が、コロナウイルス感染拡大防止のために次々と中止になっています。
1年かけて作った花火も使われることなく、終わってしまいます。
古くは江戸時代、8代将軍徳川吉宗の時代にも、飢餓と疫病が流行った際に慰霊と悪霊退散の意味を込めて墨田川での水上祭で花火が打ち上げられ、それが現在の墨田川花火大会のルーツになっているようです。
各地の若手花火師らが、自分たちができることは花火を上げることしかできないと、新型コロナウイルス感染収束を祈って企画し、5分間だけれども全国一斉に花火を打ち上げました。
3蜜を避けるため日時・場所は非公表としていたため、私も知りませんでした。
花火師さんたちも今年の収入はほとんどなく、夏休みに子供たちがやる家庭用花火の売り上げぐらいです。
それでも、自分たちができる価値提供は花火を打ち上げることだけだし、世の中が下を向いている時に、一瞬でも上を向いてもらいたいと、この日のために作った花火を打ち上げました。
花火を見ることができた人達は、知らなかったのでびっくりしたけれど、見れて良かったと言われていましたし、子供たちは「きれい!」と、喜んでいました。
仕事が中止になり、収入が減ってしまっても、自分たちができることをと花火を打ち上げた花火師さんたち。
「悪疫退散!」の願いと、人々に一瞬でも空を見上げてもらいたい願い。
この想いの詰まった価値提供は、人々の心の中で大きく広がって勇気を与えたと思います。
「勇気を貰う」という事は「花火のエネルギーが人々に移動した」という事です。
エネルギーは循環しているものだと思います。
仕事が無くなった花火師さんたちが、花火を見た人に勇気を与え、その人達の笑顔や子供たちの喜ぶ姿を見て、
自分たちでも人を喜ばすことができると、また前を向くエネルギーを貰う。
人が喜んでくれるような「価値提供」はぐるぐるめぐって、いずれはまたそのエネルギーが何倍にもなって自分の所に戻ってくるのです。
この価値はお金では買えない価値です。
今回のコロナウイルスは、お金が絶対だという価値観を見直すきっかけをくれたような気がします。
そして私自身、自分から与えることのできる人間になりたいと思いました。
じゃ、また明日!