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「なんでも願いを叶えてあげます」と言われ、10億円の宝くじが当たったとします。
借金を返済し、自分の家や別荘を建て、高級な車も買いました。
毎日高級料理を食べ、ブランドものの衣服を身に付け、世界中も旅行しました。
これであなたは、自分の夢が叶って本当に幸せですか?
先日、NHKスペシャルで「車中生活者」のドキュメントをしていました。
日本全国に1160ヵ所ある「道の駅」すべてに取材すると、335ヵ所(29%)から、
「車中生活者とみられる人がいた」という回答が戻ってきました。
それぞれに深刻な事情を抱えた彼らは、今日も狭い社内で眠りにつきます。
後部座席には日用品が満載され、フロントガラスは目隠しで覆われ、外からは見えないようにしている。
昼間はショッピングモールや公園で過ごし、夜になると駐車場の隅っこや第2駐車場に止めます。
カセットコンロでスーパーで買ったラーメンを自炊する人もいます。
私が驚いたのは、60代・70代になった彼らは、元はホテルマンであったり、会社勤めであった人が20年・30年と働いてきたのに、会社の倒産、リストラで再就職も難しく、ここに行き着いたということです。
頼れる家族・親族もいなく、家賃も払えなくなり、1カ月10万円ほどの年金で車中生活が始まったとか。
市役所で生活保護の相談をしたけれど「自家用車を持っていますよね」で却下された。
車を手放せば、生活保護を受けられる可能性はある。しかし、家がないから車を手放した瞬間に寝る場所、居場所が無くなる。
地方だから、仕事が見つかったとしても出かける手段として車は必要。
そう考えると、車は簡単には手放せない。
20代で結婚。その後離婚したが実家の父親との関係に苦しむようになり、家を出た女性もいる。
精神疾患を患っていて、働ける状態ではない。
「働こうにも働けないし、実家に帰ろうにも父親が怖くて帰れない。ここにいるしかないんです」
人知れず、誰ともつながることのできない人達が、ここには生きています。
お金を持っていても、大切な人との関係が壊れたら本末転倒です。
お金がなくて、誰ともつながることができなければ、ここにいるしかないのです。
人間は誰かとのつながりの中でしか、幸せを感じることが出来ないのではないでしょうか。
家族がいてもいなくても、恋人がいてもいなくても、結婚していてもしていなくても、
結局は「誰と人生を歩むのか」が大切になってくると思います。
会社に勤めていても、倒産やリストラなどでいつどうなるかわかりません。
震災などで、家も家族も失うことだってあります。
これらは誰にでも起こり得ることだと思います。
自分で生きることはできたとしても「生きがい」は人間関係の中でしか生まれてこないのではないかと思います。
自分が生きて、生きがいを感じるためには、人とのつながりが必要だと思いました。
じゃ、また明日!