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新年にあたり、伊勢神宮の「常若(とこわか)の思想」を目にしました。
常若とは、常に新しいこと。いつまでも若々しいこと。
つまり「古くて新しい物」
伊勢神宮では1300年前から、20年おきに神宮の全ての建物を建て替えています。
よって、昔の建物の姿のままでありながら、今そこに新しい姿で存在します。
20年に一度遷宮をすることで、建物だけではなく、装束や金具を創る人々が途切れないようにしているのです。
20年前に手がけた人が20年後に新しい世代に受け継いでいく。
それによって、およそ2000年前のものが再現できるのです。
「古くて古いものは滅び、新しくて新しいものも滅びる。古くて新しいものが常に栄える」
人間の考え方も同じだと思います。
自分の価値観が確立したからそれで良いかと言うと、それでは古くなります。
2030年が地球を存続させる分岐点だとか。
地球温暖化が加速度を増し、100年に一度と言われていた異常気象が毎年のようにやってくるようになる。
それを食い止めるにはあと10年しかありません。
科学技術が発達し、人々の生活はどんどん快適になって行くように思っていても、
その裏ではに二酸化炭素が増え、プラスチックごみが海の生き物を殺して行っています。
そしてそれらは、近い将来人間に降りかかってきます。
すでに、地域によっては我々が知らないだけで、被害が出始めています。
今日のNHKの番組でも、地球温暖化に関しては「常識の変化」が必要であるとか。
便利で快適な生活が当たり前になっている常識の裏には、アフリカの方では水面が上がり、高台に引っ越しても引っ越しても家が流され、4度目の今は親せき宅にお世話になるしかないのが現実です。
20年前からみれば、現在の携帯電話の機能など考えられもしなかったと思います。
それと同じく20年後はどの様になっているのか、AIの発達でどのようになっているのか想像すら出来ません。
携帯電話は携帯電話として存在しているとは思いますが、その中身はかなり変わってくると思います。
人と瞬時にコミュニケーションが取れるツールとしての、基本部分は引き継いで行くとは思いますが、その中身はその時代に合ったものでなければなりません。
これが「古くて新しいもの」だと思います。
樹齢100年、200年と言われる桜の木も、老木になっても毎年新しい芽を出し新しい花を咲かせます。
初日の出だと拝む太陽も、太古の昔からある同じ太陽です。
人間の私など、年齢的には老木の部類に入って行きますが、頭の中身、考え方は常に時代と共に変化させなければ、老害と言われるような「私の若い頃は・・・」などと言った、古くて古い言葉しか出て来なくなります。
「常若」のように、古くて新しい価値観を追い続けたいと思います。
じゃ、また明日!