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「過去と昨日は変えられないが、未来と明日は変えられる」というのはよく聞く言葉です。
そうだと思います。そうだと思いつつも、現実は過去に縛られ過去に引きずられてしまう私です。
なぜなら、自分や他人の事を考えても、何か事あるごとに過去の良くない経験を思い出し、それに縛られてしまうからです。
アドラー心理学の岸見一郎氏はご自身の例として、小学生の時に父親に殴られた事があり、成長してからも父親がにこやかに話していると「今は笑っているけれど、本当はひどい人だ」と過去の記憶を呼び覚まし、父との距離を遠く保とうとしていた。それは父と仲良くしないという目的が私にはあったからだ。と書かれています。
つまり「父親との関係が悪い事の裏付けとして、過去の記憶が必要だった」という事です。
よって、誰かと良い関係を築きたいのでれば、これまでどんな経験をしたとしても、その過去を手放す勇気を持たなければならない。過去に支配されてはいけないとはそう言う意味です。と書かれています。
また、認知症になった父親が、すでに亡くなった妻を忘れてしまい、本人が「忘れてしまった事は仕方ない」と言った事に対し、
本人が過去の記憶を封印しているとしたら、無理やり思い出させるようなことをすべきなのか。
我々の方が、過去を手放すことを考えるべきなのかも知れません。と書かれています。
未来についても、いらぬことを考えると不安になる。不安という感情を手放すためには、明日の事を思い煩ってはいけない。
できる事は明日を思い煩わず、今日という日を生きること。
「今ここを生きる」こと。
過去を手放し、未来を手放し、今日という日を精一杯生きる事が出来れば、人は幸せになれるのだ、と。
私自身、人間関係が自分の理想の100%まで行っていない部分に対して過去の記憶を呼び覚まし、それを楯に取っていたかもしれません。
また、背伸びしても届かないような遠い未来に対しても、不安を覚えていたのかも知れません。
よって一番大切な「今ここ」がおろそかになっている状態です。
過去の記憶を手放さない限り現在をまともに見れないし、まだ来ぬ未来に不安を抱いたとしても、その不安は現実の不安ではありません。
そうであるならば、現在は現在の「今」の中でしか生きる道は無いのではないかと思います。
ありのままの今をありのままの自分で生きれば、地に足のついた生き方が出来るのではないかと思った次第です。
じゃ、また!