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無農薬栽培に成功した「奇跡のリンゴ」で知られる木村秋則さん。
長年の苦労の末辿り着いたのが「敵はいなかった」です。
奥様が農薬アレルギーで、農薬を散布すると肌が荒れてお風呂にも入れない状態になるので、奥様をラクにしてあげたいという思いで無農薬栽培に取り組みました。
最初は農薬に視点を当て、農薬の代わりにありとあらゆるものを試してみました。
色々試してみても、5年間、リンゴは実る事はありませんでした。
それどころかリンゴの花も咲かなくなったのです。
ある時、こんな所にリンゴの木が!と駆け寄ると、それはドングリの木でした。
そこで木村さんは、山の中の木は農薬を使っていないのに、虫がついたり病気になっていないと思い、
土を掘ると、ふかふかの柔らかい山の土の匂いがしました。
その瞬間、リンゴを育てるのは土だったのだと気付いたのです。
ふかふかの温かい土を育てたのは、人間が与える堆肥ではなく、雑草であり、そこに住む小さな虫たちであり、微生物たちなのです。
それらによって山の中の木々は、誰も世話をしなくても沢山の実をつけるのです。
そこから木村さんは土と微生物の研究に明け暮れ、奇跡のリンゴを実らせたのです。
木村さんは、虫がリンゴの葉を食べているのを見て、この虫が害虫だと決めつけてしまったのが間違いだった。
虫や病気は原因ではなく、あくまでも結果に過ぎない。
虫や病気が蔓延したからリンゴの木が弱ったのではなく、リンゴの木が弱ったから虫や病気が大発生した。
虫や病気はそれを教えてくれていたに過ぎない。
この気付きは、リンゴと真正面から向き合っているからこそ、気付けたのだと思います。
この発想の転換が無ければ、奇跡のリンゴは生れていなかったと思います。
木村さんは「敵なんてどこにもいなかったと気付く事が、私の栽培法の出発点です」
「自然界の命の循環を観察し、理解すれば、そこには調和があり、善悪は無いとわかったのです」と。
近年、クマやその他の動物が民家に出没すると撃ち殺したりしていますが、
自然のサイクルを狂わしているのは人間です。
北極の温度が上がり、今年の6月には犬が海氷の上の水たまりの中を犬ぞりを引いて走っています。
雪や氷の上ではなく、水たまりの上です。
今年のような猛烈な大型台風も当たり前になってきます。
そろそろ自然界の命の循環を考える時期が来ているのではないでしょうか?
じゃ、また!