「星の王子様」の著者、サンテグジュペリの言葉に
「愛とは、互いに見つめ合うことではなく、同じ方向を向くことである」
と言うのがあります。
TVや小説では「愛とは、お互いが見つめ合うこと」のように描かれていますが、「見つめ合えば相手がどこを見ているのかわからないし、自分もその景色を見ることが出来ない」ということです。
同じ方向を向いて歩くということは、二人には共通の目標があるかどうかにかかってきます。
二人で力を合わせて実現したいと思っている共通の目標があれば、二人の関係は長く続くと思います。
しかし、大きな夢、共通の目標を失うと、それが目の前の事に目が向き、相手の欠点が気になりだして、些細なことで相手を非難するようになりがちです。そして自分は変わることなく、相手を変えようとしてしまいます。
同じ方向を向くということは、同じ目標を持ち、二人でその目標に向かって助け合い、協力し合うということだと思います。時間をかけて共に助け合い、協力し合いながら苦労も分かち合えば、いつしかお互いの中で思いやりや労わりの心が芽生え、離れがたい信頼や絆が結ばれるのだと思います。
互いに支え合うことで、心の痛みを軽減し、その痛みに寄り添う事も出来るのです。
昔は「夫婦は二人三脚だ」と言うのをよく耳にしたことがあります。今はあまり聞かれなくなりましたが、お互いの片方の足を結び付けるから、息を合わさなければ転んでしまうのです。
自分のリズムと相手のリズムを合わせるから、上手く前に進むことが出来るのです。
サンテグジュペリの言う所の「愛とは、互いに見つめ合うことではなく、同じ方向を向くことである」と言うのは、出発点であり、むしろ同じ方向の確認をしてからが大切で、お互いの絆や信頼を深めていき、相手を理解し、お互いに分かち合うことで、次のステージに進むことが出来るのだと思います。
考えてみれば二人三脚のように、お互いに息を合わさなければ目標に辿りつかないというようなことは、無くなって来たと思います。それぞれ自由と云うものがあるので、足と足を括らなくても、助け合うことは出来るかも知れません。しかし、息を合わすという行為そのものを、昔は大切にしていたのだと思います。
今は、自立した者同士が息を合わすので、足を括らない分自由で自分の行動範囲が広がってはいますが、その分、簡単に分かれることが出来るのかも知れません。しかし、それで一生続く関係なら、それほど素晴らしい生き方は無いと思います。
じゃ、また明日!