人生に於いても、ビジネスに於いても「目的」が大切だと言われます。
確かに「自分はどう生きたいのか」「どのようなビジネスをするのか」が明確になっていないと、どちらを向いて歩けば良いのか迷子になってしまいます。
実業家の岩瀬大輔氏は「目的地に早く着くことが人生の目的ではない。目的地までの旅を楽しむことこそが人生の目的なのではないか」と言われています。
ビジネスに於いて何か新製品を出す場合は、新製品という目的に早く辿りつくことが重要視されると思います。しかしそれさえも、その途中の失敗があるからこそ、より良いものが出来たり、その失敗が思わぬ気付きをもたらしてくれたり副産物を生み出してくれたりもします。
人生においては、早く成長して早く歳を取るのが目的ではないと思います。赤ちゃんにしろ、早く歩いて欲しいと思うかも知れません。しかし、歩くまでの成長過程が大切であって、そこを十分に通り過ぎなければ後になって、急がすのでは無かったということにもなり兼ねません。
かなり以前の話ですが、赤ちゃんは歩くまでに寝返りをうち、ハイハイをし、伝え歩きをして歩けるようになります。しかし、田舎の家よりも団地などで部屋が狭い場合、十分にハイハイが出来ないので、或いは直ぐに掴まるものがあるので、歩くのが早いと言われていました。その時は早く歩けて周りは喜んだのですが、結局はハイハイをする時に発達すべき筋肉が十分発達せずに歩き始めたので、大きくなってからこけやすいというのを聞いたことがあります。
新幹線も早く目的地に着くので、移動手段としては非常に便利です。しかし、昔のようにもっと時間が掛かっていた時は、ゆっくり景色を楽しみ、ゆっくりお弁当を食べ、時には隣の人とお喋りをしたりして楽しんでいました。新幹線の無かった時は、乗ってから景色を楽しんでそれからお弁当を食べることもできました。しかし、短い距離ではあっという間に次の駅についてしまうので、お弁当を食べきらないうちに降りる支度をしなければならなくなりました。
その時々の目的にもよると思いますが、目的地に早く着くことだけがベストではなく、目的地に着くまでの過程で色々学ぶこともあると思います。特に人生などは、目的地までの道のりをどう歩むかにもよると思いますし、どんな風景を見て、どんな人と出逢うかもその後の自分の人生に大きく影響を与えることもあります。そして、その過程で失敗もするかもしれませんが、その失敗によって学ぶことも多いと思います。
目的地までの道中での小さな発見や喜び、経験などが自分の人生を心豊かなものにしてくれる可能性も十分にあります。しあわせは目的地にあるのではなく、その道のりにあると思います。
例えばプレゼント1つ取ってみても、プレゼントを渡すという目的に対して、相手に何を渡せば喜んでもらえるだろうか。品物が良いのか食事が良いのか、どこかに一緒に行くのが良いのか、相手に喜んで貰うには何がいいのかを考えている時の方が、渡す瞬間よりもしあわせを感じたりします。
しあわせは目的地よりも、道のりにあるのかも知れません。
じゃ、また明日!