昔からよく聞いていたのが「メダリストは選手を育ててこそ、本当のメダリストだ」と。「自分がメダルを取っただけでは一流とは言えない」と言われていました。確かに色々なスポーツ選手が引退後コーチになって、次のメダリストを育てているようです。
スポーツに限らず、企業のリーダーも次の世代のリーダーを育てておられます。これらは技術もさることながら、その根底に流れている生き方、在り方も育てているのだと思います。だからそのスポーツなり企業なりが上位にあり続けるのだと思います。
本物のリーダーは時代の流れを見て、未来を予測し、それに対応できる状態を考えられる人だと思います。ただのリーダーとしてのノウハウだけなら、大量に育てることは出来ると思います。しかし、未来を予測しながら現在を引っ張って行くには、かなりの能力が要ると思います。
そういうリーダーが今、必要とされているのに、なかなか育ってこないのです。各人にはそういう気質や能力を持った人はいると思います。しかし、そういう人財を育てる人がいないので、折角の素養を持っていても、育つチャンスが無いのだと思います。
1月17日は阪神淡路大震災から30年でした。あの、大震災から何を学び、近々来るであろう南海トラフ地震のためにどれくらい準備をし、備えているのでしょうか。ニュースなどでは、神戸市は北陸や能登の地震の時でも直ぐに援助に行ったと思います。震災に対する初動は早いと思います。しかし、その精神が末端の役所まで届いているのかどうか。支援システムが構築されているかどうか。
そこでも人手不足だと思います。TVなどで能登を見ていても、2~3人で罹災証明の手続きをしていました。他県から手伝いに来ていた役所の人達も帰って行かれました。近年で神戸から始まり、東北、能登と大きな地震がありましたが、どれだけ30年前から学び、現在の対策が構築されているかはなはだ疑問です。
残念ながら役所は数年で移動がある為、その部署のリーダーが育ちにくいのだと思います。防災など特に人の命とかかわる部署は専門性を活かすために異動も考え直した方が良いのではないかと思います。人の出入りが頻繁にあればあるほど、リーダーは育ちにくいと思います。むしろ、育たないと思います。
なぜなら、そこには前例踏襲や忖度や事なかれ主義が蔓延していて、いくら若い世代が何とかしようと思っても、上の年代がそれを阻止してしまうのです。人の命や精神的なものに関わる部署やリーダーは特に配慮がいるはずなのに、2~3年では腰を据えた仕事は出来ないと思います。こういう所こそ、未来を予測し、必要な一手を考えておくリーダーを配置して欲しいものです。
日本全体が以前のように何事も自分ごととして考えられなくなり、自分のことだけで精一杯になってきているような気がします。リーダーたる人は社会全体を見て、社会の中での自分達の役割を構築していって欲しいと思います。
「本物のリーダーは、リーダーを育てられて初めて本物になる」
じゃ、また明日!