営業で成績を伸ばす人は、立て板に水のようにどんどん言葉が出て来てよくしゃべる人、と思われがちですが実際はそうではありません。それよりも誠実さの方が大切なのです。
以前、就職紹介の仕事をしていた時、大人しそうな学生が銀行系の窓口の仕事がしたいと言っていました。しかし、面接を受けても他の人は次から次へと言葉が出て来て上手くしゃべるのに、自分はそういう人達のように次から次へと言葉が出ない。と、悩んでしました。
しかし、私はその学生の真面目さや誠実さを知っていたから、ペラペラしゃべるのがいいとは限らなく、むしろ真面目さや誠実さを出した方が良いと言った覚えがあります。結果、望み通り金融関係に就職したのですが、翌年、そこの人事の方が来られて、何人か採用した中でその卒業生が一番お客様を取ってきている。との報告を受け、嬉しくなりました。
人事の方も言われていましたが、むしろよく喋る人はその時はお客様を惹きつけたように思うけれど、結果、全員のお客様は来てくれない。むしろ、立て板に水のように喋らなくても、彼女のように一人1人お客様に丁寧に話す方が、全員お客様が付いてくれる、と。結局、彼女の誠実さがお客様の信用を得て、成績を上げて行ったのです。
またある学生は、製薬会社の営業の仕事に配属されました。彼女以外はみな男子職員だったようで、病院の医師を相手にその医師が好きそうな趣味の話や日曜などはゴルフのお付き合いをしていたようです。彼女はそういうことはしたくなく、薬を勧めることだけに集中しました。医師の話をよく聞き、それならこういうお薬がありますと説明したり、新薬の説明をしたり。結局医師たちは彼女に信頼を置き始め、彼女の進めるお薬を注文してくれるようになりました。結果、営業の中で彼女の成績がトップだったのです。
上記二人は饒舌なタイプでもなければ、太陽のような明るい子ではありませんでした。しかし、真面目で誠実でお客様のことを一番に考え、お客様に役に立つ情報をいつも伝えていたのです。二人とも、成績を上げようとか、トップになろうとかは思ってもいなく、只々このお客様には次はこの情報を持って行こうと勉強をしていただけです。
結局、その姿勢その行動にお客様が寄って来て、結果、お客様がお客さまを紹介してくれて成果を上げていたのです。お客様に聞かれた事は直ぐに応える。次にお会いするまでに資料はきっちり揃えておく。いつも誠実に対応して、いい加減な仕事はしない。だから仕事の質が上がっていき、より一層お客様が増えるのです。
二人とも「お客様の役に立ちたい」という思いは強く、具体的なプランニングを立てて、日々実践していたようです。こういうタイプの人を見ていると、お客様に対して色々余計な事を言うより、行動で語っていたと思います。そして、その行動がお客様や人事の人に伝わっていたのだと思います。
最近は口先だけの人が多いように思います。言うのは構わないのですが、行動が伴っていないので信用が出来なくなるのです。いくら「次は頑張ります」とか「これから続けます」とか言われても、その言葉が生きてくるのは実際に行動した時です。実行されるまでは、その言葉は保留のままです。その状態がその人との信頼関係に繋がって行くと思います。
立て板に水のように流暢にしゃべる人よりも、素朴な喋り方でも、お客様のことを想い、お客様の役に立つ情報を伝える方が、結局は信頼が増すと思います。口よりも行動で語ればよいのです。
じゃ、また明日!