戦後教育の成果か、言われた事だけをやるのが以前は良しとされていました。会社員にしろなににしろ、どんな場面でも歯向かうことなく、素直に「はい!」という人が評価されていました。しかし、我々は「飼社員」ではない、と言う風潮が出始め、反対に、言われた事をやるだけの人の価値が下がってきています。むしろ一人1人の思考を問われるようになりました。
「言われた事を考えずにやれ!」というのは命令口調です。以前はそれでもクビのなるのを恐れて従っていたかも知れませんが、今はともすればパワハラになるかも知れません。激しい口調で「やれ!」といわれれば、従うけれども、思考停止の状態での服従です。よって、なかなか主体性を持った行動には結びつかないと思います。
今は、「思考」を引き出して、「行動」させるのが各リーダーの役目のようです。その時に大切なのは「言葉」です。キツイ命令口調や悪い言葉を投げかけると「思考停止」になってしまい、その状態だとこれからはAIになって行くと思います。それを、言葉を変えて相手の主体性を引き出すような語り口になれば、主体的に行動するだけではなく、それ以上の何か新しい事を発見するかも知れません。
「〇〇をしておけ」と言うと、命令口調で上からの圧力がかかります。それを上からではなく横に並んで「○○しようよ」と言うと、相手は「そうして見ようかな」と、能動的になります。一般的にボスは「やれ」と言うけれど、リーダーは「やろうよ」と、言うようです。
そして、よくあったのが「ノルマを達成しろ」と。営業など特にそうですが壁に棒グラフを貼り付けて、誰がどの位ノルマを達成しているか目に見える様にしているもの。そして月末になって達成できていなければ、なぜ達成しないと怒鳴る。これでは楽しんで仕事が出来ません。楽しんで出来ないと言う事は、お客様に対しても押し付けがましい営業になってしまいます。それを「ゴールを達成しよう」という言葉に変えるだけで、先ずはゴールを目指すと思うのです。そして、達成できなくても「やった分、成長したね!」と言えば、次はもう少し頑張ろう!という気にもなると思います。
自分の意見を主張する部下や新人に対して「俺の言う通りにしろ」と、頭ごなしに言う人がいるけれど、相手がこちらの言っていることが納得いかないのであれば「あなたならどうする?」と、相手の意見を聞いてみて、相手が動きやすいように促すと、自分から考え出すし、すり合わしていくうちにこちらの思っているように動く可能性があると思います。その時に「それで、やろう!」と言えば、自分の意見を主張するだけではなく、それに行動が結び付いてくるのです。
「○○しろ」とか「○○をやっておけ」ではなく、「○○をやろう」とか「○○をしよう」といった言い方の方が上から目線ではなく、横に並んで一緒に皆とやって行く感覚で頑張れるし、チームの目的がはっきりしていくのではないかと思います。
「形から入り、心に至る」普段からの訓練だと思います。
じゃ、また明日!