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私たちは普段何気なく使っているものでも、その商品の持つ「意味」を変えると
新たな価値が生まれる時があります。
電気の無い時代はロウソクが生活の必需品でした。
しかし、何処の家庭でも電気照明が付き、ロウソクはいらなくなりました。
にも拘らず、ロウソクを買う人はいます。
それは照明の代わりという意味ではなく、癒しや部屋の雰囲気を変える目的で
使われるのです。
よって、ロウソクは「周囲を照らすこと」から「部屋のムードを演出すること」へと
変わって行ったのです。
また、2003年に大地を守る会が呼びかけ「100万人のキャンドルナイト」が
スタートしました。
「でんきを消して、スローな夜を!」を合言葉に、夏至と冬至の
夜8時から10時の2時間、電気を消してロウソクの灯火の下、
ひとり一人がゆっくりと考える時間を持つ事を提唱しています。
私も何回か自宅で参加しました。
最初の年、他にもいるかなと、その時間に電気を消して窓を開けると、
ぽつりぽつりと遠くの方でも灯かりが消えていて、このイベントを共有している
実感を覚えました。
ロウソクも年々凝って来て、昨年は蜜蝋で作った網目模様のロウソクを
手に入れました。
しかし、今年はパソコンに夢中になっていて、気が付けばその時間が過ぎて
「100万人のキャンドルナイト」を感じることが出来ませんでした。
ロウソクの持つ意味が「地球環境」という意味に変わってきたのです。
フィットネスジムやパーソナルジムも、初期の頃は体力創りや筋肉を付ける目的が
主でした。
しかし、現在ではボディメークも取り入れ、ほとんどの所が「美と健康と若さ」を
売りに出しています。
「体力創り」の意味から「美と健康と若さ」という意味に変えてから、
顧客の年齢層は若い方からかかなりの年齢の方までと幅が広がりました。
しかも、昔はマシーンのある部屋とロッカーだけだったのが、意味が変わって来た
最近では、プロテインを飲むラウンジやエステの部屋までが出来ています。
最近の24時間ジムでもネイルや美容ローラーが無料で使える所もあります。
体力創りに美容と健康の意味を加えることによって、売れる商品が増えて行くのです。
また、もっと年配の方が対象なら、リハビリ中心の場になってきます。
病院でのリハビリを打ち切られた人が、自分1人では出来ないと悩んでいた頃に
リハビリ中心の場が出来始めました。
同じマシンを使うにしても、片や筋肉モリモリにする為に使うし、
片やもっと緩く、動かせない部分を少しずつほぐしていく緩いマシンで
リハビリです。
同じマシンでもそれを使う意味を変えれば、年代も使い方も結果も違うものが
手に入るのです。
よって、マシンの「機能」を変えるのではなく、
商品が持つ「意味」を変えることによって、売れ方も売れるものも違って来るのです。
そろそろ来年のカレンダーが出始めました。
以前はカレンダーと言えば日にちを見るものでした。
よって予定が書き込めるカレンダーの方が便利だということでスペースのある
カレンダーが出てきました。
そして、スマホを持ち出してからは、あまりカレンダーの必要はなくなりました。
しかし、早速店頭であれやこれやと選んでいる人が多いのです。
それは自分の趣味の写真が目的で、動物の好きな人は猫のカレンダー、犬のカレンダー。
景色の好きな人は景色のカレンダーなど、カレンダーとして買っているのではなく、
インテリアとしての写真を買っているのです。
そして、家では日付の所を切り離し、写真部分だけを部屋の壁に貼ったり、
額に入れて飾ったりして楽しんでいます。
そう思うと、カレンダーは日にちが経てば経つほど価値がなくなるものですが、
写真部分をインテリアとして飾れば、日にちが経っても価値は無くなりません。
このように考えれば、今あるものに何かを追加したり、トータル的な価値から考え直すと、
今まで持っていた商品の持つ意味を変える事によって、より大きな価値を生み、
色々な角度からの顧客を引き寄せることができるのではないかと思います。
じゃ、また明日!