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私は以前「いくらきれいごとを言っても、ふとした時に思っている事が口に出ている」と注意されていました。
普段、きれいごとを並べていても、本当の思考は口から出て来るものです。
G20大阪サミットも無事に終わったようです。
そんな中、28日夜の夕食会あいさつで安倍首相が、大阪城の復元時にエレベーターを設置したのは『大きなミス』と発言したようです。
「明治維新の混乱で大阪城の大半は焼失したが、天守閣は今から約90年前に16世紀のものが忠実に復元されました。しかし、1つだけ大きなミスを犯してしまいました。エレベーターまでつけてしまいました」
安倍首相の言われる「復元」を「見た目の建物」という一面だけで捉えると、エレベータは付け加えたものかも知れません。
しかし、平成29年10月24日第12回企画調査会配布資料によると「重要文化財建造物 1.策定の目的や策定のねらい等」には、
・活用に当たり文化財としての価値を損なうことのないよう文化財保護のために守るべき事項を明確化
と書いてあります。
千田嘉博・奈良大教授(城郭 考古学)によると、文化庁の史跡整備方針は、史跡の本質的価値を保ちながら活用する方向にあり、健常者だけでなく、車椅子の利用者、高齢者、子連れの人など、すべての人が平等に体感できるように整備を進めようとしている。
世界遺産などでも、出来る限りバリアフリーを実現しようと言うのが世界の流れだ。
こうした背景を無視した発言は信じられないし、遺憾だ。東京五輪やパラリンピックも控えており、残念でならない。
私は、千田教授の意見に共感します。
2020年にはオリパラ(オリンピック・パラリンピック)が始まるというのに、日本のリーダーたる首相の頭の中で文化が止まったままでは、日本は世界の流れから取り残されます。
私がかつて言われていた「いくらきれいごとを言っても、ふとした時に思っている事が口に出ている」というのは、こういう事だなと合点がいきました。
思考は言葉になり、言葉は行動になります。
今一度、日本の「お・も・て・な・し」とは何なのか、考える必要があると思います。
じゃ、また!