タグ:
これは信友直子監督が、ご自身の両親を1200日撮り続けた
ドキュメンタリー映画です。
正式なタイトルは「ぼけますから、よろしくお願いします」です。
私の母は、可愛いぼけ方だったので、病院の看護師さん達に非常に可愛がって頂き、
穏やかな人生でした。
入院が長いと、色々な方の最期を見せて頂くのですが、やはり性格がガラリと
変わってしまい、家族の方が驚かれる人と、可愛い子供に戻って行くタイプとが
あるようです。
この映画では、監督の95歳のお父様が87歳のお母様の面倒を見る所からの撮影です。
ご本人が一番つらいのは、自分がおかしくなりかけていると解る事です。
完全にぼけてしまえば、それすらわからないのですが、まだ、理性が働いたり、
出来ていたことが出来なくなる事実を認めるのが、やはりショックなようです。
それを象徴しているのがお母さんの言葉です。
夜中に起きて泣き出したと思ったら、
「邪魔になるなら死にたい!」
「私のおる所がない!」
という心境は、誰しもが感じる所だと思います。
お母さんが脳梗塞で倒れ、入院している間も97歳のお父さんは、
毎日片道1時間かけてお母さんに会いに行きます。
それがお父さんの生き甲斐でもあるのです。
そうこうしているうちにお母さんが回復し、リハビリが始まりました。
お父さんはいつ帰って来ても良いように、当時98歳で体力づくりに筋トレを
始めていました。
しかし、その年の暮れにお母さんの脳梗塞が再発して、リハビリが無理な状態に
なってしまいました。
翌年2月、お父さんが鼠経ヘルニアで手術。
「おっかあを残して死なれん!」と、手術の翌日からリハビリを頑張りました。
お母さんはこれ以上どうしようもないという事で、療養型病院へ転院。
そこへもお父さんは毎日会いに行っていました。
お父さんが100歳で市長からお祝い金を貰う前に、お母さんは91歳で亡くなりました。
お父さんはお母さんに、
「長い事お世話になったねー。ありがとねー」
「ワシもええ女房をもろうたと思うちょります」
「60年間、ありがとね。あの世でも一緒に家族仲よう暮らそうね!」
「じゃ、さようなら」
この言葉は、60年間お父さんとお母さんとで育んできた言葉だと思います。
お父さんは悔いの無い介護生活を送られたと思います。
人が人を想いやって生きる姿は、勇気と希望を与えてくれます。
100歳のお祝い金を市長から頂いたお父さんは、
お母さんと一緒に食べたいと言っていた、ファミリーレストランのハンバーグを
食べに行きました。
完食して一言「うまかった!」
お父さん、素敵な人生です!
じゃ、また明日!


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

投稿者

jibunoikiru@gmail.com

関連投稿

タグ:

2280枚目■ 行動と言葉を一致させる

「言行一致」とよく言います。口で言っている事...

すべて読む
タグ:

2274枚目■ 「無理」「ならどうする」

何かをやろうとする時、或いはやりたいと思う時...

すべて読む
タグ:

2235枚目■ 何を捨て何を残すか

私は昔から「マイナスの美」の美しさが好きでし...

すべて読む
タグ:

2233枚目■ 自分が自分をどう思うか 

私たちは人目を気にして生きている場合がありま...

すべて読む
タグ:

2232枚目■ 目的の為なら共にやれる

今回のNHK「新プロジェクトX」は、世界遺産...

すべて読む
タグ:

2231枚目■ 共に目標を達成する能力 

人が他人と協力し共同の目標を達成する能力は、...

すべて読む