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今日、備前焼を手にする機会がありました。
備前焼は「釉薬(うわくすり)」を一切使用せず、絵付けもしないという
究極にシンプルな焼き物です。
1200~1300度の高温で焼き、土の性質や、窯への詰め方、窯の温度の変化、
焼成時の灰や炭などによって模様が醸し出されます。
1つとして同じ色、同じ模様にはならない、手作りの味わい深さが魅力で、
使えば使うほどに味わいが増していくのも特徴です。
焼き物にも色々な種類があります。
清水焼、有田焼など、その地域ならではの有名な焼き物があります。
備前焼を手にしたとき、人間も同じだなと感じました。
「剛毅朴訥、仁に近し」(ごうきぼくとつ、じんにちかし)
「剛毅」とは、自分の決めた志をやり遂げようという強い意志。
「朴訥」とは、飾り気がなく、口下手で自分の思いを上手く表現できない人。
飾り気がなく口下手ではあるが、行動が立派な人の事を「剛毅朴訥」と言うようです。
世の中には口先だけ立派で実行しない人が多いです。
しかし、本当に実行している人は思いやりのある人だと「孔子」も述べられています。
「剛毅朴訥」な人は言葉を大切にしているから多くを語らないとも言われます。
「剛毅」は言葉巧みに口先が先行して、単にその場を取り繕う人とは違い、
自分の言葉に責任を持っているから、多くを語らないのかも知れません。
また「剛毅」とは、2つの強さの意味があり、「剛」は表面的な強さを表します。
「毅」は内に潜んだ強さ、耐え忍ぶ強さを表しており、この耐え忍ぶ強さこそが
真に必要なものである、と。
「剛毅朴訥」の人は余計な事は何も語らず、また自分を飾って見せることもなく、
ただ誠の心を持って自分の信念を貫いている。
よって「剛毅朴訥」の人は己の姿勢のみで人としてのあるべき姿を見せている。
というものです。
このあるべき姿と、本日手にした備前焼が重なって見えてしまったのです。
本当に良いものは、シンプルで力強く、その強さの中にも耐え忍ぶ強さも持っている。
だから備前焼は他の焼き物と一緒に洗わないで下さいと言われます。
なぜなら備前焼は強いので、他の食器が割れてしまうからです。
人間も「剛毅朴訥」な人は、口数が少なく実行している人なので、
口先だけの人が負けてしまうのです。
私も、シンプルで飾り気が無いけれど陰陽の強さをもった人間でありたいです。
じゃ、また明日!


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jibunoikiru@gmail.com

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