IHIは10日、航空エンジン整備の検査不正問題で、国土交通省に業務改善報告者を提出しました。
検査の一部で資格を持たない従業員が印を押すといった不正が常態化し、内部告発で発覚しました。
報告書での原因分析は、
「業務量の増加に応じた検査員の育成・増員計画がなされないまま納期が優先された」
組織面での改善は、
「製造部門に所属していた検査員を品質管理部門に移し、製造部門からの直接の指示を受けないようにして納期優先の仕組みを是正する」
工程面での改善は、
「検査印や電算システムの記録を廃止し、検査員のサインを使う事で改ざんを防ぐ仕組みを取り入れる」というものでした。
これらから、IHIは品質よりも収益を重視し、以前から内部告発があったにも拘らず納期を重視していたというように私は受け取りました。
それは民間航空会社から仕事を請け負っていた宿命かも知れませんが、部品1つ1つが安全に直結し、1つ間違えば多くの人の命を奪ってしまう事になるという意識が無かったのでしょうか?
上記改善点は、本来当たり前の事であって、疎かにしてはいけない部分です。
IHIという組織そのものの体質かも知れませんが「何も言えない雰囲気」と言うのは「人材こそが盛大かつ唯一の財産である」と掲げている企業理念と、どう結びつくのでしょうか。
気になったのはHPによるトップメッセージの満岡社長のあいさつで「工事利益を安定的に確保できる体制を整備」「収益基盤の強化を目指します」「安定して収益を確保できる体質を定着させます」という言葉です
。
企業は収益を上げるのは目標ですが、そこばかりに目が行くと社内に「何も言えない雰囲気」が漂い、政治家と同じく忖度がはびこってしまうのではないでしょうか?
今回、内部告発により表面化したことで、トップメッセージにも書かれてあるように、
「持続的な成長と企業価値の向上に取り組み、信頼される企業グループを目指して」欲しいと思います。
じゃ、また!