タグ:
藩校をネットで探していると、龍の絵を描いた「臥竜塾」というのが目に入りました。
そこに書かれてある文章がまた良かったのです。
「将来天に駆け上がるために今は臥せている竜のごとく、子どもたちはたくさんのものを
秘めています。そんなものを引き出すための手がかりが見つかればと思います。」
藤森平司
致道館の教育の特色は、
詰め込み教育ではなく、個人の天性と長所を伸ばす教育方針を主眼として
自学自習して自得する、という自由で実践的な学風は「沈潜の風」
と言われる藩風を創り出しました。
と、書かれています。
致道館の教育目標は「人材の育成を目指した」ようです。
そして、初代校長の白井矢太夫は職員に対し、次のように述べています。
「個人によって教育の方法は違うのだから、なんとなく藩校にやって来た学生たちが、
自分でも気付かないうちに学業が進んでいる、そうした状況を創るよう教師は心がけよ」
と、命じました。
さらに
「学校は子どもたちの遊び場なのだから、子どもが無礼を働いたりイタズラしても、
たいがいのことは大目にみてやれ。
子ども達があくびしないで面白がるような授業を心がけよ。
子どもたちの面白がるような本を見せてやれ」
これが江戸時代における校長の発言です。
また、「致道館」は自学自習の時間が多かった事も特徴です。
「自分でテキストを選び、自らの力で学習する」
それが教育方針だったようです。
それ以外にも
「人を用いるコツは、その長所だけ取り上げ、短所は気にしないことだ。
長所と短所は分離出来ないのだから、長所さえわかれば良いのだ。
短所など知る必要はない」
「良い先生というのは、臨機応変にその人が獲得できる能力を考えたうえで、
一箇所に風穴を開けてやるもの。
そうすれば、後は本人が自分の力で能力を獲得していくだろう」
「生徒が自ら学ぼうという気持ちがないのに、先生が教えようというのは、
教育ではなく販売である。そんなことをしても、生徒のためにはならない」
【学風】としては、
生徒一人1人の生まれつきの個性に応じてその長所を伸ばすことを基本に、
知識を詰め込むのではなく、自ら学び、思考し、体得し、実践する
学習経験の積み重ねを重視した。
江戸時代から明治6年の廃校に至るまでの70年間。
これが日本の藩校の教育方針でした。
私は教育はスエーデンの、個々人が時間割を決めて自分で好きな勉強をする。
そして教師は、各人の子どもから質問があった時にだけ一緒に考えたり、ヒントを与える。
という、この教育が良いなと思っていました。
しかし、日本でも江戸時代から個々人を伸ばす教育がなされていたのです。
これは私の無知としか言いようがないのですが、こんなに良質な教育がなされていたなんて、
日本の昔の教育は素晴らしかったと思います。
何が正しいのかわからない今、
この日本の教育の素晴らしさを、今一度取り戻す必要があると思います。
じゃ、また明日!