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2020年5月にSNSで中傷を受け当時22歳の女子プロレスラー木村花さんが亡くなりました。
6月13日、侮辱罪を厳罰化する改正刑法が成立しました。
母親である響子さんが都内の記者会見で、
「やっと!という思いが強い。成立して終わりではなく、ここからが始まり」と言われています。
そして「言論の自由はとても大切だが、何を言ってもいい権利ではなく、他者の引見に配慮し
使われるべきものだと思う」と話されました。
表現の自由とは、個人が自らの思想・意見・主張・感情などを外部に表現し、
発表する自由です。
日本国憲法第21条1項は、集会・結社・言論・出版その他一切の表現を保証し、
2項は、検閲の禁止と通信の秘密を保証しています。
表現の自由を保障する根拠には「自己実現の価値」と「自己統治の価値」があり、
「自己実現の価値」は言論価値を通じて自己の人格を発展させる個人的な価値を意味します。
「自己統治の価値」は国民自身が演説やSNSなどの言論活動をすることで、政治に参加し、
民主主義を維持・運営する社会的な価値を意味します。
と、弁護士さんは書いておられます。
誹謗中傷とは、事実ではない悪口を言いふらして、他人を傷付ける行為です。
誹謗中傷は他人の名誉を傷付ける行為である以上、
人権侵害に当たることから法的処置の対象になります。
2021年4月21日の参院本会議では、投稿者情報の開示を容易にする新たな手続きを盛り込んだ
プロバイダー責任制限法が全会一致で可決、成立しました。
しかし、一度拡散して炎上状態になってしまえば、全ての加害者に法的責任を問うことは
事実上不可能になります。
今回、改正刑法成立で「侮辱罪」が厳罰化されましたが、憲法が保障する表現の自由が
制約されるのではという懸念は根強く残っているようです。
上記の件以外でも、3年間にわたり匿名掲示板に誹謗中傷する言葉を書き込んだ20代の女性が
200万円の慰謝料を請求されました。
女性は「軽い気持ちで書き込んだのに、どうしよう・・・」と週刊誌の取材にコメントしています。
また、Twitter上で「国会議員をやめて頂けないでしょうか?
このまま議員を続けるとあなたの娘さんに被害が被るかも知れませんよ」と書き込み脅迫した
40代の男性が逮捕されています。
男性は「注目を浴びたくてやった」と容疑を認めています。
TwitterやBlogなどに書き込んで誹謗中傷したジャーナリストの男性は、
「冗談だった」「他にも書き込んでいる人がいるのに社会的に弱い私だけを狙って訴訟している」
と、言った旨の主張をしています。
誹謗中傷はただの人権侵害です。
誹謗中傷を書き込んだ人は軽い気持ちかも知れませんが、受けた人の心の傷や恐怖心は
簡単には消えないどころか、記憶に残り続けます。
他人に構って貰いたかったかも知れませんが、そのエネルギーを自己実現に向けて貰いたいものです。
じゃ、また明日!